あーにゃちゃんねる 6月17日
投稿者コメント:
廃墟探索の頃ならともかく、流石に忙しくなってきたから前フリ映像とるの辛くなってきた。最後のベストショットは残すけど、これからの編集は音声追加のみでやってくことにします!
〔フランドール〕の訓練を終えて、やってきました。とうとう、この日が来ましたよ!
骨折していた腕のギブスが取れた。
うん、これも確かにうれしいけど、まぁそれはいつものこと。そんなことよりですよ。
お買い物ですよ!お買い物!
明日はとうとう出撃。嫌な言い方になるけど、これが最期の地上って人も出るかもしれないから、思いっきり遊んでこいってことです。
私も魔王様から、お小遣いもらっちゃいました。
「幾つか写真を見せてもらったが、良い出来だった。広報で使うことになったから、その代金だと思ってくれ」とのこと。
ちなみに魔王様はお金をATMから引き落としてました。
……なんというか、すごくシュールな光景だった。
そんなわけで魔王様に懐を温めてもらった私は、魔王様、メディちゃんと一緒に世界樹海峡における民間区画の都市、イルミンズへとお出かけです。
そのためには軍港から船で移動することになる。
今見てもらってるのはその船の上からの映像なんだけど…… 見える? あれ。
そう、でっかい丸太船。
ぶっちゃけて言えば、世界樹を真っ二つにして、その上に街を作ってるの。
まぁ、戦艦の砲撃でもぶち抜けないほど硬い。から生えてるんだから耐水性抜群。
なにより雑草みたいに、世界樹ってありがたみが無いほどにニョキニョキ生えてるんだから、そりゃ建築にもってこいだよね。
ちなみに真っ二つにするときは、2隻の船の間にロープを張って、糸ノコの要領でゴリゴリ切っていくんだとか。
機会があれば、そっちの方も取材してみたいなー。
そんなわけで、やってきましたイルミンズ。
見てわかると思うけど、この街の建物、壁も屋根も一枚板ですよ。超贅沢……と思うけど、まぁ有り余ってるんだろうなぁ、木材。
人がいない!
角! 羽! 尻尾! 獣耳!! 多脚! モフモフ!!
空を見れば、魔導筒とか、自分の羽で空を飛んでる人。
お店を見れば動いているキノコとか、光る木の実だとか。
うん、これこそファンタジーの街だよね! できれば、戦場じゃなくてこっちを中心に撮影とかしていきたいんだけどなぁ……
「それじゃ、次の勝利を祈願して! 乾杯!!」
これはもう前の動画で説明済だね。
この星のコップ代わり、浮かぶ水球。
飲んでいる赤い液体は、世界樹に生えるキノコを付けたお酒。
色が色だからさすがの私も飲むのに勇気がいたけど、味はハーブを煮詰めて、ちょっとシロップを足した感じで、意外と美味しかった。
「ねぇ、似合ってる? わっ、動いた……!」
ああーっと、これは撮影者は私じゃなくてメディちゃんに代わってもらったところ。カメラマンとして頑張ったお祝いってことで、服をプレゼントされた。
すごいでしょ? 服なのに模様のお魚が、まるで生きてるみたいに動くんだよ。
まさにファンタジーの洋服!
――で、仕上げにやってきたのがここ、『蒼い大空亭』。
「えっと、撮影していいの?」
「うん。予約した時に、許可もらっといたから」
そんなわけで遠慮なく撮影させてもらってるんだけど……、もうガクブル。
カメラとか廃墟遠征費で貧乏生活やってた私には、もう「え、ここにいて良いの?」って感じ。
内装、給仕さんの動き、部屋に満ちる空気だけで、体中がガチガチになりそうだった。
……余談だけど、ここが廃墟になったら、すっごく雰囲気出るだろうなー、とか思ったり。
ここからはちょっと静止画タイム。
緊張がほぐれてきたのは料理が出てきた時。
廃墟の写真撮影はガンガンやってたけど、料理の撮影は初めて。
湯気でレンズ曇るし、魔王様とか他のお客さんに迷惑にならないようにしたり。
窓の日光とか、距離とか、いろいろ頑張った……。
ぶっちゃけて言うと、うーん、納得できない出来だった。
デジカメじゃなかったから、その場で確認できなかったのが痛かった……。
食事一つ、食器一つ撮るだけとか、ちょっと甘く考えてたところはある。
これについては反省だね。
「どうだ女史、ここの飯は美味いだろう?」
「はい! もう死んで良いです!」
「……そんなにか」
魔王様はこんな風に呆れてたけど、そりゃ魔王様が行きつけにしてる店だもの。
超、超、超美味かった!
前菜のサラダは青臭いのに不快感はなくて、シャッキリと歯ごたえがあって。
肉の細切りを炒めたのはジューシーで甘くて。
桃色のクリームとパスタの浮遊球体は濃厚で薫り高い。
ああ、もうここが天国か、と思ってました。
―-デザートが出てくるまでは。
「えーっと、これって……」
見よ、このド迫力!
虫です。
巨大なお皿の上に、トンボとハチを掛け合わせたようなでっけえ虫が、こんがりと焼けているではありませんか。
しかも、どこかで見たことのあるお姿をしていらっしゃいます。
「えーっと、魔王様……? これって、ひょっとして……」
「先週の訓練でしこたま撃ち落したからな。おかげでどこも在庫過多で大変らしい」
はい、そうです。
この前の訓練で、散々私を追いかけてくださった、グリーフ・ホーネットさんですよ。
食物連鎖って恐ろしいね。
いや、そりゃ私も廃墟探索を趣味にしてるから、ムカデやらクモやらはお友達ですよ。
でも食べるのはちょっと――
「んふっふー。これが美味しいんだよねー」
って、思ってるうちに、メディちゃんが指をナイフにして、ザクザクと背中を割っちゃいました。
するとどうでしょう。
頭の芯まで蕩けそうな、おいしそうな匂いが立ち込めるではありませんか!
ちなみに今画面が揺れたのは、その匂いで思わずカメラを揺らしちゃったから。
「はい、アーニャの分」
どしゃ、と殻を剥いた後の、巨大昆虫さんの身がこちら。
黄色くてトロッっとした見た目は、虫の中身そのものって感じだけど、大きさが大きさなだけに、チーズのお菓子にも見えなくもない。
ちなみに香りはバターと蜂蜜、南国のフルーツ、そして少しばかり草原の匂いを足じ。
しかも見てくださいよ、食べるメディちゃんの顔。
もう完全にメシの顔ですよ。
「それじゃ、いただきます……!」
ってなわけで、再びメディちゃんに撮影を変わってもらって、私も一口食べました。
「うっま……! なにこれ、すごい!」
甘くて、香しくて……見てくれてるみんなには悪いけど、もう表現不可能。
ほっぺたどころか上半身がメディちゃんみたいに蕩けそうだった。
やばい、言われなくて糖分と油分の塊――体重増加薬みたいなもんだとわかってるけど、止められない。外食でよかった。これ、家で食べてたら際限なく食べ続けそう。
「気に入ってくれて何よりだ。ならば今度、八区にでもいくか?」
「八区?」
「グリーフホーネットだけじゃなくて、ほかのハチ族の連中が集まってる区画だ。ここからだと船で八時間ぐらいかかるが、ハチミツは食べ放題だ。というか、ハチミツの滝や湖がある」
「すごい……! ぜ、ぜひ行かせてください!」
「まぁ来年になればな。残念ながら、半年間は閉鎖するらしい」
「なんでですか?」
「賞味期限切れのハチミツを不法投棄して監査が入った。経営者にも逮捕者が出ていてな……」
……現実は厳しい。
さて。そんなわけで食事も終わって、次はどうする?って話題になった時、事件になりましたよ。
「男を買う!」
このセリフ、私じゃないですよ?メディちゃんですからね?
「アーニャも一緒に、男娼、いこう?楽しいよ」
……ぶっちゃけここ、カットしようと思ったんだけどねー。
「じゃぁ、普通の娼館にする?私はどっちでも良いよ。男でも、女でも。襲ったり、襲われたりしよう。ここの娼館のお風呂はおっきいから、もう何人でも――」
「黙れエロスライム」
このメディちゃんの、顔面崩壊シーンはぜひともアップしたかったから、残さざるをえなかった。
今回の動画は、この首なしメディちゃんをオチにして、終わりたいと思います。
それじゃ、ベストショット、いってみましょー!
【今週のベストショット】
見ての通り、たそがれ時の温泉です。
さっきのやり取りの後、結局私たちは温泉に行くことになった。
……ちなみに混浴だった。
まぁ、色々ありましたよ?
魔族の中に、いたいけな乙女が一人で放り込まれたんだから……
っていう冗談はさておいて、その温泉、なんと世界樹の上にあるんですよ。
まぁ温泉というと語弊があるかな。
世界樹の樹液をあっためて、お風呂にしてる。
高さが鷹さだから、まさに絶景。
魔王様に効いたら、冬の凍り付いた世界樹が一番綺麗だとか。
ちなみに秋は紅葉が綺麗なんだけど、落ち葉が酷いことになって風呂どころじゃないみたい。残念!
まぁ今すぐってのは無理だろうけど、ノイエと銀河連合の間に国交ができた際には、とも入ることをお勧めします。
……混浴を気にしないなら!
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日付変更前に投稿できんかっった。
待たせてすまん!!
え、待ってない? そうですか(´;ω;`)
とりあえず自己撮影動画を小説で描画するのはどうすれば良いのか模索中。
前書きをアーニャの投稿者コメにしてみた。
色々試しながらやってくしかないなぁ。。