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不思議探偵事務所  作者: いろはす
プロローグ
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プロローグ

 最近、常に何かが変だと思う。


 学校に行く途中、突然暗くなったと思えば空を一匹の巨大なカラスが飛んでいた。

 なにかの間違いかと思い、意識をハッキリさせるため複数回瞬きを繰り返すと、そこはいつもの通学路。空には鬱陶しそうな雲を背景に、特に変わったものは映っていなかった。


 これだけならば、ああ寝ぼけてたんだなあと思い過ごせるのだがそうでもない。


 風呂上りに自分の部屋のドアを開けると、そこには一面砂漠が広がっていたこともある。もちろん、何も見なかったフリをしてドアを閉めて再び開けば、そこはもう俺の部屋に元通り。


 上げるとキリがないくらいの、不可思議な現象に遭遇し始めてはや一週間。

 実害がなければ見て見ぬフリをしておけば問題なかったのだが、現実はそうも甘くなかった。

 部屋に帰りたいのになかなか部屋に戻らなかったりして就寝時刻が大幅に遅れ、俺は学校へ遅刻する回数が増えた。


 帰り道、突然景色がジャングルへと変貌し、そのまま景色が戻るのを待っていれば知らぬ間に門限を過ぎてしまい、親にこっぴどく叱られたこともある。


 誰かに相談できればそれが一番いいのだが、もう俺は高校二年生である。こんなことを他人に話したところで、中二病扱いされ相手にされないことなど分かりきっている。もしかすると、これを一生ネタにされ続けるかもしれない。


 天秤にかけることでもなく、俺の結論は秘密にしておく一択だ。

 どうせ相談したところで、解決策なんてあるはずもないと思うし。


 そんな風に思っていた、ある日の昼下がり。

 俺は身に覚えのない殺人事件の容疑者にされてしまった。

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