表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/15

0-11


「あー、それで?青虫さんって誰?」

「俺の寮の部屋に寄生している、無駄に青い青虫」

「あぁ、仙道か……。まぁ、確かに青虫だわ」

「ちなみに生徒会長は黄金虫だ」

「ぶはっ!!あの会長が、黄金虫って!!笑えすぎて腹痛いわ!!」


 けらけらと爆笑する皐月を横目に、閃夜は淡々と話を進める。


「その黄金虫が俺のことを、血眼になって探しているらしい」

「あー、そういえばそんなことを月影が言ってたなぁ。理由はまだわからないみたいだし。詳しいことは直接聞いてみたらどうだ?」

「……顔がわからん」

「閃夜、大体喧嘩も敵のリーダー倒して帰るもんね。うちの情報屋だよ、そしてクラスメイト。ほら入野悠っていたろ?」

「あぁ、あいつか。機会があったら話しかけてみるか」

「っていうか!!」


 そこで思い出したかのように、突然大声を上げた皐月は両腕を広げて閃夜の前に立ちふさがる。その一歩手前で閃夜は歩みを止めた。


「なんだ急に」

「危うく聞き逃すところだった。喧嘩売るって、誰に売るんだよ」


 その問いかけに、閃夜も自分が言いだしたのを忘れていたのか「あぁ……」と言い、皐月を指差した。


「お前の伯父さん、だっけ?あいつ一回蹴っ飛ばさなきゃ気がすまない」

「えええええええええええ?!」

「うるさい、大声出すな。めんどくさい奴らがよって来たらどうする」

「いやいやいや、だって予想外すぎる相手で!……もしかして、寮のことで……」

「よくわかったな、さすが幼馴染」

「根に持ってるのね、同室者のこと」


 当たり前だと返事をして、閃夜は皐月の脇を通り過ぎ、歩みを勧めた。別にどこに行くわけでもないが、たまには夜に出歩きたい時もあるのだ。


「でも、圭吾さんまじ喧嘩強いし……やめたほうが……」

「お前は俺があいつに負けるとでも思ってるのか?というより、反撃される前に仕留める」

「ダメだって!理事長!相手理事長だから、ね?やめよう?」

「納得いかない」


 ますます不機嫌顔になった閃夜に苦笑しつつ、横に並んで歩く。今日は喧嘩も起こってないのか、静かな夜だ。しかし夜というのはやはり危険な時刻らしい。


「おいおい、あれって皐月じゃねーの?」

「お、まじじゃん。ちょっとツラ貸せよ」


 歩いていた路地の前方から、不良の団体がぞろぞろと歩いてきていた。皐月に気づくやいなや、こちらに近づいてきていた。およそ10人ほど。人数からして有利と思っているのか、全員が余裕溢れた表情を浮かべている。


「俺は無視か」

「いや、顔知られてないだけだと思うけど……」

「何コソコソ話してやがんだ!!」

「あのさぁ、ここ一応俺らの縄張りなんだけど?こんなとこで喧嘩売ろうなんて、浅はかじゃないの?」

「あぁ?調子乗ってんじゃねーぞ?むしろ自分らのシマで負けたとあっちゃ、『skyscraper』の副リーダーも落ちぶれんだろ」

「へぇ……勝てるって思ってんだ」


 目の前のやつらは徐々に詰めよりながらも、適当な間合いをあけている。気づけば後ろにも回り込まれ、二人は周囲をぐるっと囲まれていた。




前回なかった絡まれるシーン。今回は暴力的描写が3割増くらいだと思います。

苦手な方はご注意!でも表現力ないから、あっという間に終わると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ