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ゼロから学ぶ魔王の世界征服論  作者: 國白龍智
第一章 かつての魔王の成れの果て
8/21

魔法学[前編]

「ん……」



ここは…酒場……かな?

そうだ。

昨日はここで宴が始まって1日中騒いでたんだっけ。

でもいつベッドに潜ったかな?

あまり覚えてないな。



「それはそうだろう。君はゲイルに酒を飲まされてベロベロに酔っていたからね。運ぶの大変だったよ?マナ的な意味で」


「あ…フェイルさん。そうだったんですか。ありがとうございます。って、僕今声に出してました?」


「いいや、出してないよ。ただ単に君の考えてる事を読んだだけ」


………


「それも魔法の一種なんですか?」


「そうだよ」



ホント便利だな魔法って。



「まぁそれはまた後で教えてあげるよ。今はゆっくり休むといい。まだ子供なのに酒を浴びるほど飲んで頭がふらふらするだろう?」



そういえばそうだな。

なんか気持ち悪い…



「そうですね…もう少し休ませてもらいます」


「うん。それがいいよ。また後で起こしにくるからしっかり休んどきな。それじゃあね」


「…………気持ち悪」



うん。

駄目だこれ。

さっさと寝て治そ。



☆★☆★☆


「お~い少年!そろそろ起きたらどうだ?でないと私が爪を一枚一枚剥いじゃうぞ~?」


「は、はわ!?爪!ある!ない?剥がれた!?え!?」


「あっはっは!おはよ~少年。よく寝てたね。皆もう起きてるよ」


…よし。

爪はある。

ちょっと寝ぼけてみたいだな。


「あのシャミルさん?フェイルさんが起こしに来るって言ってたんですけど…どうかしたんですかって、ん?」



目の前には確かにシャミルさんがいたはずなのに何故かフェイルさんがいる。

……まだ酔ってる?



「フェ、フェイルさん?」


「びっくりした?」


「びっくりしたって言うよりも理解が追い付いてないです。どういうことですか?」


「ん~変幻の魔法とでも言うのかな?「火」と「風」の二種類の属性の特性を組み合わせた合成魔法。それでシャミルの姿に化けてたってわけ」



そんな事も出来るのか…

やっぱり魔法って面白そうだな。



「面白いよ。それじゃそろそろ酔いも覚めたかな?体調の方が大丈夫そうなら僕に付いて来てくれないか?」


「分かりました」


☆★☆★☆



「それじゃ雫陰君、これから君に魔法について初歩的な事を教えたいと思う。迷惑なら言ってくれ。僕が勝手に思いついた事だから」


「とんでもありません!僕もフェイルさんに魔法を教えてもらいたかったので!」


「それなら良かった。それじゃまず雫陰君は魔法についてどの位のことを知ってる?」


「え~と、魔法には「火」「風」「水」「土」の4属性狩あってそれから……」


「それから?」



あれ?

よくよく考えれば僕魔法について何も知らないような…



「あ、やっぱりキルメスの奴かなり適当な感じでしか説明してないな」


「………」


「ま、いいさ。その方が教えがいがある」


「面目ないです…」


「それじゃ魔法の属性についてだけど、基本的に適性があるのは4属性だけだけどそれが派生して全く別の属性が存在するんだ」


「と、言うと?」


「「火」であればその高熱により周囲の者に「幻」を見せ、全てを信じることの出来ない「偽」を与えることが出来る」


「「水」であればその勢いは全ての者を水「量」で制圧し飲み込まれた者はその水の「圧」力で潰されることになる」


「「風」であれば圧縮された大気の力は「刃」となりその刃を解き放つことで使用者は「空」を自在に駆けることが出来る」


「「土」であれば自らの身体を「硬」化させ、その堅き身体は大いなる大地の「天」変地異にも耐えうる力を得る」


「属性と言うよりは性質に近いかな?まぁ同じようなものだと思ってくれていい」


「なるほど」


「それとは別に「光」と「闇」に分類される属性もある。これは少し特殊で限られた人しか扱えないけどね。雫陰のがどちらかを扱うようになればまた教えてあげるよ」



…やっぱりあったか光と闇。

RPGには必要不可欠だからな。



「それと朝に少し話した考えていることを読む魔法だけど、これは補助魔法というやつだ。先に言った4つの属性を操って相手を攻撃するのが攻撃魔法。それを応用して肉体の強化などを行うのが補助魔法というんだ」


「補助魔法……使う属性によって効果が違うんですか?」


「察しがいいね。まさにその通り。大雑把に説明すると「火」を「心」に使うと恐怖云々の恐れがなくなり興奮する。「技」なら一撃一撃が重くなって、「体」なら相手からのダメージを軽減出来る」


「風を「心」に使うと深く落ち着くことができ、「技」に使うと攻撃の切れが良くなる。「体」に使うと身体が軽くなり身軽な動きが出来るようになる」


「水を「心」に使うと物事を冷静に判断でき、「技」に使うと不可思議な現象を引き起こせる。「体」に使うと柔軟性に優れた身体になる」


「土を「心」に使うと度胸ある精神を取得し、「技」に使うと屈強な一撃を繰り出せ、「体」に使うと仲間を守る盾となる硬さを得られる」


「大体はこんな感じ。光と闇は別だけどね」


「心?技?体?」


「あ、うん。心は精神に影響し、技は攻撃の技能に影響し、体は肉体に影響するんだ。……これで分かるかな?」


「まぁ大体は」


元の世界でゲームをしてなかったらなんのことやらさっぱりだっただろうな。

大体理解出来て良かったよ。



「あ!それとこれはあまり関係ないんだけど4属性以外の属性……性質は別名「付与属性」と呼ばれているんだ」


「それが何か?」


「付与属性の特徴としてまず、心技体に活かせない。そして必ず基本の4属性の派生であること。なにより付与属性は絶対にその派生した属性を発動していないと効果は現れない。ちょっと説明しにくいんだけど分かるかな?」



ようはこうだな。

付与属性は基本属性の派生であり、基本属性が発動していない限り付与属性も発動しない。

そして基本属性のように心技体に付与属性を活かすことが出来ない。

ただし、付与属性同士、または付与属性、基本属性を掛け合わせることで全く別の魔法を創ることが出来る。



「そう!そうだよ!雫陰君は魔法の才能があるよ!僕が説明してないことまで理解してる!」



ま、定番のRPGにはよくある話なんでね。



「それじゃ次は魔法の具現化についてだ」

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