大陸から大陸へ
起動したといっても元はかなりボロボロだ。
慎重に扱わないと壊れてしまう。
まずは…申し訳ないけどユーザー情報を見てみよう。
『ユーザー名
湖郷真希
登録年代
2011年 』
ユーザー情報ってこんな感じに表示されるものだったっけ?
なんか違うような気がするけど…
機種の差かな…?
住所とかは……
ん…やっぱりパスワードが掛かってるか。
他のアプリも殆どロックされている。
連絡帳は…
『あ 逢沢守
安藤武
き 城島南
こ 湖郷舞
.
.
. 』
こっちは見れるけど、この世界に電波があるとは思えない。
これは今は使えないだろうな。
でも、分かったことは少なからずある。
1つはこの携帯の持ち主が湖郷真希という女性であること。
2つ目は湖郷さんが[日本人]であること。
キルメス達、クリアフェレスの住人がこれが何か分からなかった以上これは地球のもの。
これが元の世界から持ち込まれたものであるのは間違いことが確定された。
一度、これを発見した場所に行ってみたい。
もしかしたらまだ近くに湖郷さんがいるかもしれない。
まだここでやることは残っているけど…
此方を優先させるべきだろう。
「キルメス、頼みがあるんだ」
「ん?どうした?何か分かったのか?」
「あぁ。これは僕が元いた世界から持ち込まれた物で間違いない。もしかしたら元の世界に戻る為の別の手段への道筋になるかもしれない。
だから…これが発見された場所へ僕を連れて行って欲しい」
「ふむ…嘘ではないようだな。いいだろう。そこまで私が連れて行こう」
よし。
これで少しは…
「ただし。別の大陸に行くには手続きが必要なんだ。それに少々時間が掛かる。それまで待ってくれないか?」
入国審査のようなものだろうか?
それならしょうがないな。
「分かった。手続きが完了したら教えてくれ。大体どれくらい時間が掛かるんだ?」
「そうだな…一週間もあればできると思うが…」
「そんなに時間が掛かるのか!?」
「どうしても…な」
ん…?
キルメスの顔が少し曇ったような…
「まぁなるべく早くできるよう頼んでみる。零は適当に時間を潰しておいてくれ」
気のせい…か。
「分かった。それじゃ悪いけど頼んだよ」
「ああ!」
これで当面は大丈夫か。
ティルファさんの所にでも行ってみようかな。




