何気ない日常
「冒険者特別支援係…か」
具体的にはどういうことをするのだろうか?
そのことを聞いてみようとエインさんの方を見てみると…
「……………」
すうすうと静かな寝息をたてて眠っていた。
今日の土地の視察でとても疲れていたのだろう。
近くに置いてあった毛布をそのままエインさんに掛けて起きるまで待つことにした。
☆★☆★☆
─さん。
ん…?
─原さん。
なんだ…?
霧原さん。
あぁ僕を呼んでいるのか。
でももう少し眠らせてくれよ……
「起きて下さい霧原さん」
うう…ん。
まだ眠い…って、え?
「あ、やっと起きました」
「あれ…?もしかして僕寝てました?」
「はい。とても静かに寝ていられましたよ////」
エインさんが起きるのを待っているつもりが、起こされるとは…
でもなんでエインさんの顔が赤いんだろう?
「あの、エインさん顔が赤いですよ‥?もしかして風邪引きました?」
そう言ってエインさんの額に手を当ててみる。
…うん。
熱はなさそうかな。
「はわ‥わ…は…わぁ‥」
でもエインさんの顔は更に赤くなる。
「大丈夫ですかエインさん?」
「だ、大丈夫です!少し貧血気味なので体調が少し悪くなっただけです!」
貧血ならむしろ血の気が引きそうな気がするけど…
その疑問は種族の違いによるものだろうと割り切った。
「ならいいですけど…」
「はい。…っと、その、折角気持ち良さそうに眠っていたところを邪魔して申し訳ないのですが、ギルドの受付時間が迫ってきましたので外にでてもらっても宜しいでしょうか?」
ギルドにも受付時間とかはあるんだな。
そんな事を考えながら外を見てみると空は夕焼けの色から淡い藍色へと変わっていた。
「分かりました。また明日も来てもいいですか?」
「はい!勿論です!」
元気な声で歓迎してくれた。
こういうのは本当に嬉しい。
「それじゃ、また明日。今日は本当にありがとうございました」
「いえ、私の方こそありがとうございました」
お互いにお礼を言い合った後、僕はキルメスの家へと向かった。