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第2話 Lv1 九条新二

「………い………さい……きてください」


遠くから、声が聞える。


おかしいな………俺って寝てたんだっけ?


どんどん、声は大きくなってくる。


「……起きてください!」


「うわっ!?」


俺は跳ね起きた。


ゴチン!!


「痛っ!?」


と、同時に何かにぶつかったらしい。


「いたたたた……」


声のしたほうを見ると、頭を抑えている女の子がいた。


どうやら俺はあの子とぶつかってしまったらしい。


「あの……すいません」


俺は女の子に話しかけた。


「いたた……あ、やっと気付いたんですね! よかった!!」


女の子はホッとしたような顔で言った。


「えっと……俺、ここに倒れてたのか…?」


「はい、何か黒い大きな穴から突然落ちてきたから、ビックリしちゃいました!!」


「黒い…大きな穴」


間違いない、あそこで俺が吸い込まれたブラックホールだ。


「……ところで、あなたは誰ですか?」


女の子が俺の顔を覗き込みながら言う。


どうだろう、本当のこと言っても信じてくれるのだろうか。


「えーと……俺の名前は九条新二っていうんだ。新二でいい」


とりあえず、名前だけを言うことにした。


「シンジさん? 変わった名前ですね! 分かりました、よろしくお願いしますシンジさん! 私、コロッチ村のアイリスといいます!」


「アイリス……だね、よろしく」


俺とアイリスは握手をして、立ち上がった。


「ところで、シンジさんはどの国から来たんですか?」


「ああ……俺は日本から」


「ニホン? 聞いたことない国です…どの地域ですか?」


地域……アフリカとか、ヨーロッパとかいうやつ?


「アジアだけど…」


「アジア? 一体どこですか?」


おいおい、アジアも分からないのか? いくら地理が壊滅状態の俺でも分かるぞ…


俺は内心の疑問を押し隠しながら、質問をした。


「じゃあ、ここは?」


「ここはフローレンス国ですよ」


フローレンス?? 聞いたこともない…


ダメだ、これじゃラチがあかない。


「あのさ……世界地図、見れるところない?」


「世界地図ですか……? それなら、私の村の長老の家にならありますけど…」


「見せてほしいんだ。頼む」


「ええ、いいですよ……じゃあ、ついてきてください」


そう言うとアイリスは歩き出した。


俺も慌ててあとについていった。







草原を抜け、森を進むこと30分。視界が急に開けた。


「ここが、私たちの故郷、森林の村コロッチです」


「すげえ……」


俺はその景色に圧倒された。


この村は非常に大きな木をくりぬいてそのまま家として使っている。人々は活発に動き回り、あちらこちらで声があがっている。


その様子1つでも、かなり発展している村だということが俺にも分かった。


「ここは、世界でここにしかないジャイアントスギが生える土地で、村自体はそう大きくないんですけどジャイアントスギの貿易で大国にも引けをとらない財力を誇っているんですよ」


「へえー………文字通り、何もかも木で成り立ってるってわけだ…」


「そういうことですね………あ、長老の家はこっちです」


アイリスは人ごみの中をスイスイと進んでいく。


俺はついていくので精一杯だ。


何とかアイリスを見失うまいと必死に人ごみをかき分けると、ひときわ大きな木が見えてきた。


「ここが、長老リンダムの家です」


「はーっ……長老にもなると格が違うな…」


何というか、大きさもそうなのだが、装飾とかいろんなところが他の家よりも上品に感じる。


「さあ、こちらです」


アイリスは大きな扉を開けると、中に入っていった。


「おじゃまします…」


俺も中に入った。







「ようこそ我が家へ!!」








入ると同時に、しわがれたおじいさんの声が聞えてきた。


が、肝心の姿がどこにも見当たらない。


「あれ? じーさんは…?」


「誰がイケメンじゃ!!」


何か、得体の知れない物体が、俺の隣にいつの間にか立っていた。


「あ、あの~」


「おう、旅の人…そなたか? イケメンだと言ったのは」


「人違いです」


「! 手厳しいのー!!」


じーさんは両手の指の先を外側に向け、体を「く」の字に折ってたいそう驚いていた。


ようするに……マ○オさんのびっくりポーズだと思ってくれればいい。


「で………あなたが長老ですか」


「いかにも。ワシが長老のイケメンじゃ」


「リンダムさんですね」


「手厳しいのー!!」


リンダムさんは例のポーズでまたまたビックリなさっていた。


話が進まないので、俺は早速本題に入ることにした。


「あの……俺は世界地図を見せてもらいに来たんですけど…」


「ああ、世界地図なら隣の部屋に張ってある。いくらでも見ていくといい」


「どうも、ありがとうございます」


俺はすぐにリンダムさんが指さした部屋へ入る。


「これか……世界地図って………な!?」


そこには、驚愕の光景があった。















この世界地図…日本がない。


日本どころか…中国、アメリカ、オーストラリア、全ての国がなかった。


その地図には、俺がまったく知らない形の大陸が描かれ、見たこともない海が広がっていた。


「そんな……なら、ここはどこだって言うんだ?」


「何をブツブツ言っておるのかね、旅の人」


リンダムさんが部屋に入ってきた。


「そういえば…まだ、キミの名前と…レベルを聞いていなかったね」


「……レベル?」


一体何の話だ? RPGじゃあるまいし、レベルって……


「まあ、レベルは分かるから結構………ふむ、レベル1…ということは、キミは商人か?」


「え? え?」


俺は全く話しについていけない。


「ひょっとして、自分のことが分からないのか……ん? こ、これはっ!!」


リンダムさんは突然血相を変えた。


「どうしたんですか…? ちょっと?」


ますます訳が分からなくなってきた。


「どうしたの、長老? 大きな声出して」


するとリンダムさんはワナワナと震えながら声を出した。


「大変じゃ、アイリス……この方は……この方はっ…」


え? なんか急に敬われているけど俺。


「どうしたの? シンジさんが何?」


「シンジさん……あなたの名前はシンジさんというのか……」


「え、ええ……そうですけど」


「さっきからおかしいよ長老。どうしたの?」


「アイリス……この方は…」













「勇者族じゃ…!!」


「うそ……!!」


2人して驚愕の表情を浮かべている。


俺は、このとき自分が何者で、勇者族とは何を意味するのか、自分の世界じゃないこの世界はなんなのか、何1つわかってはいなかった。

ふあ~


かなり更新遅くなり申したWW


申し訳ありませんW

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