表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/12

点と点

◆現代

「先生、

この銅像ってどこの学校でも見るけど…すごい人なの?」


「あ~。この方はゼロ様といって、

300年前に我が国の教育を変えた方なんだ。

信じられないかもしれないけど、

国王様とゼロ様が教育制度を変えるまで、

大陸でも最貧国で、毎年飢えで亡くなる人も多かった」


「へえ、そんなにすごい人だったんだ。感謝の印で銅像が建ったの?」


「いや。それはちょっと違って……。

すごい方なのだけど、

自己主張が強くて、

その当時の学校の校長たちが、

ゼロ様に睨まれるのが怖くて、

保身で銅像を建てたんだよ」


「へぇー。性格が悪かったの?」


「能力は髙かったのだけど、

オレ様的なところがあった人だからね」


―――――――

◆王宮(302年前)


「おい。宰相はおるか?」


「はい。こちらに」


「我が国は、まだ最貧国なのか?

なぜ経済が上向かぬ。

農地開発もやったではないか?」


「はっ。

どこの国も同じような、経済対策をしておりますゆえ。

差がつかないのだと思われます」


「なるほどな。それではあまり金をかけずに、経済をなんとかする方法はないか?」


「それですと。

教育改革がよろしいのでは?」


「教師を増やせというのか?」


「いえいえ。そうではございません。

教え方を工夫させ、金をかけずに成績を上げさせるのです」


「ほう。それはおもしろいな。なにか策はあるか?」


「そうですね。

まず全国に知らせをだしましょう。

内容は教育改革について、

こういう教育改革をしたら、

成績が上がる。

そういう智恵のあるものを、

広くつのり、

校長をやらせ、権限を与え、

その校内で教育改革をさせるのです。

そして、髙い成果を出したもの達に、

全体の指揮をとらせる。

そうすれば、苦労せずに、

いい教育改革を手に入れることができる」


「そんなに上手くいくか?」


「確かに一時的に混乱はあるかもしれません。

たとえば応募して来た者が無能で、

成績が逆に下がるかもしれない。

それは心配でございます。

ただ最低限学ばせることだけはコントロールし、

1年後、

もっとも成果を出した者の方針を、

取り入れれば、下がった学力も短期で伸びましょう」



「ほう。

なるほどな。

しかし金が必要だと言われたらどうする?」


「たとえば、

予算は固定して、

どこかの予算を削減し、

他に回すなどという方法が取れるように、

してやればよいでしょう」


「わかった。ではそのようにしろ」


「はっ」


――――――――――

◆スラム街(302年前)


同じころ……

スラム街では、

若い男が、3人の屈強な男に絡まれていた。


「おいおいおい。兄ちゃん舐めてんのか」

とリーダー格の男はいう。


「舐めてる。そんな汚いもの舐めるかよ。バカじゃねのか」

と、唾を吐きだす若い男。


「やれ」

リーダー格の男は言った。


ドン、バキ、ゴキ、バキ……。

一瞬にして二人の屈強な男は、若い男に倒された。


「なかなか……やるじゃねぇか」

そう言った瞬間


ヒュン―――

若い男の拳がリーダー格の男のこめかみをとらえた。


ドス。

鈍い音がして、リーダー格の男は倒れた。


「本当。弱いくせに粋がるなよ。

白けちまったぜ。

ほらほら見世物じゃないぞ」


そう若い男は野次馬を追っ払った。


「ゼロ先生。ありがとう。助けてくれて」

と子どもが駆け寄ってくる。


「あ~。そんなのはいいよ。ただみんなには内緒だぞ。

また先生怒られるからな」


「わかった。ありがとう」

そういい、子どもは去っていった。



背後から誰かがゼロに近づく。


「あなたがゼロさんですよね」


「うん。誰だ。あっ。お前……」

ゼロの手は真っ赤に染まった。


お前はいったい誰なんだ。

なぜ俺を……


「私はただの通りすがりの死神ですよ。あなたの命を取りに来ました」


ゼロの意識は薄れていく。


―――――――――――――――――

◆現代


僕は雨水賢治28歳、都内の公立高校で働く、国語教師。


僕は雨上がりで増水した川岸を歩いていた。

毎朝の日課の散歩だ。

あれ?

濁流のなかに、子猫のようなものがいる。

ヤバイ。

助けなくっちゃ。

そう思った瞬間。

足が濁流に巻き込まれる。

あっ僕……

泳げなかった。


ブクブクブク


これで終わりなのかな…

意識が薄くなっていく。


雨水が濁流で亡くなるなんて、笑えない冗談だ。


僕は印象が薄いため、生徒からは雨水ではなく、存在感の薄い先生と呼ばれている。


これでも、いろいろがんばってきた。

作家の面白いエピソードを仕入れて、授業中に入れ込んでみたり、いろいろした。

だけど、反応はゼロ。

「先生。そういうのは、いいので……」

と言われる始末。


本当。

なにか濃いキャラに、

自信をもってガツンと言えるキャラに変わりたい。

そう思っていた。


これでも僕は、

教育関連の理論だけは詳しい。

僕は身体が弱く、成績も悪く、

いじめを受けていたが、

ホームレスのオジサンに教わった勉強法で

一躍成績上位になり見返した経験がある……


だから教育のすごさ、

素晴らしさを誰よりも知っている。


でも…

このキャラが原因で。


もし転生とかあるなら……

お願い!強キャラで。


もし「続きを読んでみたい」と思っていただけたら、

ブックマークしていただけるととても励みになります。


本作はすべて完結済みで、安心して最後まで読めます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ