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アンガー・メイジ  作者: 赤い酒瓶
第一章 金色の獅子
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第35話 後処理

 サコンとコノエの戦いを見届けた私は二人へ駆け寄って、その傷を確認しに行った。現場へ近寄るのは躊躇われたが、魔物の霊魂はあれだけの激闘と負傷にも関わらず比較的落ち着いていて、あまり穢れが移ってくる様子はない。しかしながらそれでも恐ろしいくらいには強大な魂だった。


 魔剣士のコノエは、私の目には少なくとも二度、思い切り攻撃を受けていたように見えていたのだが驚いたことに見た目は軽傷で、一方、サコンは命に別状こそないが重症といった様子。

 直ちに従者を使いにやり、村人達を呼んでくることと、先程の港町に滞在している治癒に秀でた魔術師を連れてくるように命じる。代わる代わるそうした存在が、地方の町には派遣されているのだ。時刻は夕刻で、町に着いた時点でとうに日が暮れているだろうが、無理にでも引っ張ってくるように告げた。サコンは動かせば傷に響くだろうし、コノエも念の為あまり動いて欲しくない。


 一先ず二人は手近な民家で休んでいてもらうことにして私自身は村人達を待ち、やって来た彼らへ道具を持ってくるように命じ、揃って魔物の死体へ向かって、そこに土を被せて塚を築く。身内を殺されたらしき人物が思い余って死体を蹴りつけ始め、お前が祟られるからと思い留まらせるのに苦労した。彼は穢れを貰ってしまったが私の力では十分に祓うことが出来ず、後でサコンに頼む必要がありそうだった。

 それから使いに出していた魔剣士が頼んだ魔術師を連れて戻り、サコンらには村長に提供させた空き家へと移って治療を受けてもらって、何もかも落ち着いた頃には明け方も近い時間。


 彼はこのまま祭祀まで自分が受け持つと申し出てくれたが、比較的大人しい魂相手とはいえあの弱った身体で対峙することには賛同出来ず、都から応援を呼ぶことにする。呼びつけた魔術師に二人の世話を任せ、自分は暗い夜道を魔法で照らし、馬車で従者と共に港町に戻って役場に乗り込み、父へと手紙を書いてエデン、ロウグ、ナイアかそれに近い魔術師の派遣要請と、タチバナへの報告を頼んでおいた。

 それから役人達へ社建立のための指図を飛ばし、全てが終わると疲労が押し寄せ、町の宿を借りて少し休む。


 横になりながら、サコン達と魔物の激しい戦いを思い返した。

 他の魔術師の戦いを目にする機会などあまりなく、魔術師自身があのように接近して魔物と戦う姿など想像したこともなかったので、やはり力のある連中は違うのだなと己の非力を改めて感じる。自分ならば火球と従者の魔剣士が通用しない時点でお手上げだ。式神を使いこなすなど夢のまた夢。

 遠い先祖達ならばあれくらいのことは出来たのかなと考えつつ、眠りに就いた。

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