捜査 1
読者の方こんにちは
更新が遅くなってすみません。
今回の話は、事件解決、これからへの大切なキーワードが含まれています。
最後までお楽しみください。
俺と、警察官のユウさんとソウタさんは、共に捜査を始めた。
俺が、身の潔白を証明するために、捜査に参加させて欲しいと言った時は、二人とも驚いていたが、学校に詳しい学生がいたら、捜査しやすいと思ったのか、最終的には、参加を認めてくれた。
一緒に捜査すると言っても、俺にできることは限られている。
警察官ではないので、権限をあまり持っていないのだ。
せいぜい、できることは、クラスメイトに何か不審なことがなかったのか聞くぐらいである。
二人の警察官は、俺にできるだけ情報提供をしてくれると言ってくれた。
二人には、魔石の行方にもついて捜索するように頼んでおいた。
一方、遡ること数時間前ー
あたりは、薄暗く何があるのか分かりにくい場所に二人が会話をしている。
一人は、背丈は少し大きく、服は赤茶色の色をしている。
頭には、ハードが被さっており、暗いのもあって、顔はよく見えない。
もう一人は、フードを被っている人よりも背が低いが、こちらも、同じような服を着ている。
フードは被ってないが、顔は影に隠れて、輪郭すら見えない。
フードを被っている方は、跪きながら、もう一人に向かって話している。
「……さま、魔石を手に入れることができました。」
声は、女性のようである。
フード女は、手に大事そうに握っていた、包みを開けて、もう一人に見せる。
「よくやってくれた、ご苦労。これで、我の願いの実現まで、一歩近づいたぞ。」
フード女の主人と思われる人物は、魔石を手に取り、眺めながらゆっくりと言った。
フード女が口を開き、
「あの方なら、捜索に参加すると思われますが、どうなさるつもりですか?」
と言うと、
「むしろ、好都合だ。うまく利用してやる。まさか、我ができないと思っているのではあるまいな?」
主人らしき男が言うと、フード女は、あなた様なら、きっと成し遂げれます、と言った。
場所は戻り、学校ー
気がつけば、時計が、午後6時を過ぎていた。
普段ならば、部活動をしている生徒であっても、帰る準備を始めているところだ。
そこで、俺と警察官は、もう遅いことだし報告するのは、明日の放課後にすることにした。
ユウさんに、何か思い出したことがあったら、なんでもいいから教えてくれ、と言われた。
その後、校門の前で別れて、それぞれ別の方向へ進み始めた。
空は、すっかり暗くなり、月が綺麗に輝いていた。
今夜の月は丸くて、大きくて、いつもより一層存在感があるような気がした。
校門と、駅の近い距離を歩きながら、気を失った後の夢のことをかんがえる。
あんな夢を見たことはなかった。
あの時に初めて見た夢。
大地に広がっていたあの赤い花は、恐らく彼岸花であるはずだ。
真ん中に赤い花あり、横からは、細長いものが伸びていた。
あんな特徴を持っている花はそれしかない。
そう考えていると、駅に着いたので、毎日繰り返している、改札を通るのを終えてしばらくすると、電車がきたので、乗り込む。
この車両は、学生専用なので、部活動帰りの学生が乗客の大半を占めている。
そういえば、ナオヤは、一人で帰ったのだろうか、と少し不安になったので、連絡を取ってみる。
すぐに返信が返ってきた。
ナオヤは、保健室から追い出された後、一人で帰ったらしい。
メッセージ画面の文面には、大丈夫か?、迎えに行こうか? などの俺のことを心配する言葉が、たくさん並べられていた。
電車が一定のスピードになり、また同じことを考えてしまう。
夢に彼岸花が出できたことは、よしとしてあの女性は誰なんだろうか?
俺の記憶の中には、あのような顔をした女性のことは知らないし、もちろん会ったことがない。
それなら、なぜ名前や顔を知らない女性が、夢に出てくるのか?
もしかして、どこが出会ったことがあるのか?
そんな疑問が生まれては、すぐに消えていく。
冷静に考えると、一回会ったことがあっても、覚えていないということは、それほど、印象がないということだ。
そんな人が、夢に出てくるわけがないよな。
朝とは、逆の方向に流れゆく景色を見ながら、考えるが、余計にややこしくなるだけだ。
そう思って、考えることをやめて、命の恩人のアンズさんに、どんなお礼を言えば良いか必死に考えた。
やはり、こちらも答えが浮かばない。
なんせこれが、人生で最大のお礼を言う機会だからだ。
普通の人なら命を救ってもらうなどと言う行為自体疎遠なのである。
そんな珍しい体験を、若くして経験してしまっては、何を言って良いのかわからなくなるのは当然である。
結局、ありがとう。という言葉しか思い浮かばなかった。
返信は、俺の体を心配する言葉で返ってきた。
もう一度お礼を言ってから、メッセージ画面を閉じた。
また、今度お礼の品を持って行こうと考えていた時、電車が停車する音が聞こえて、足早に降車する。
家に着くと、月を再度、月を見上げて家の中に入る。
夕飯としてカップヌードルを食べ、お風呂を済ませると急に眠気が襲ってきた。
確かに、今日はたくさんあったな。
魔石の紛失、先生が襲われたり、気を失ったり。
最後に、月が赤かったようなことを思ったが、それより、眠気が勝ってしまって瞼を閉じてしまった。
赤い月は、不吉の前兆と言われる……
読んでいただきありがとうございます。
ぜひ、感想お願いします。
次は、警察官の情報が明らかになります。
それでは、次の話でお会いしましょう。