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何某という杖と夢の物語  作者: α
学校騒動編
6/18

捜査開始

みなさん、お久しぶりです。

更新に時間をとってしまいすみません。

今回は、主人公が事件解決するためのプロローグみたいな話となっています。

それでは、最後までお楽しみください。

  目の前に広がるのは限りない赤い花に埋め尽くされた大地。

  その植物の先には、細長くて赤い花があって、その横からは細いものが上に向かって伸びている。


  それ以外に何も見えず、大地の奥には晴れ晴れとして、雲ひとつない青空が広がっている。


  赤い大地の中に一人の女性が立っている。


  そして、こちらに何やらしゃべっているように見えるが、何を言っているかさっぱりわからない。

  その女性は、何かを言い終えた後、こっちに走って寄ってくる。

  よく見ると、口を動かしている。


  「…………」


  近寄ってきているはずなのに、一向に音が聞こえる気がしない。

  まるで、誰かに遮断されているように。


  何を言っているか気になって、口の動きを読もうとして凝視し始めた時急に視界が狭くなっていく。


  周りが闇に埋まっていき、距離が遠くなっていく。

  ズームアウトしていく瞬間にも、その女性は必死に手を伸ばしてくるが、届かない。


  やがて、目の前が完全に真っ暗になった。

  何も無い。寂しい。

  そんな、虚無感を感じていると遠くから声がしてくる。


  その音の聞こえる方を必死に探すが、周りは完璧な闇しか見えない。


  「タ……丈夫……か?」


  そんな風に聞こえる。


  これは例の夢だとその時わかった。

  俺は、これが夢だからといって自分で抜け出すことはできない。


  魔法室で気を失った後に、見ているのがまさに、今である。


  すると、視界の感覚が無くなっていく。


  見えなくなっていくその視界の奥に、一輪の赤い花があるのがかすかに見える。


  その時、なぜかその花を見ていなければいけない気がしたので、ずっと見ているとその花が風に吹かれた後、無惨にも散っていくのが見えた。


  そこで、夢の記憶が途切れ、 もう一度夢を見ることはなかった


  「タク、大丈夫か?」


  耳元で、聞き慣れた幼馴染の声が聞こえた。

  瞼をゆっくりあげると、真っ白い壁が視界に入ってきた。

  その後に、心配そうに覗き込む親友のナオヤの顔が見えた。

 

  「……ああ、大丈夫だよ。」


  と、言って体を起こして、思わず頭を手をで押さえると、


  「大丈夫かよ? もう少し寝とけよ」


  そう言って、体を支えてくれた。

  次に口を開いたのは、保健室の先生の林だった。


  先生の話を聞くと、山本先生は頭部を鈍器で殴られたけれど、命に別状は無く今は普通に会話ができているし記憶も残っているらしい。


  それより、外傷のない俺の方が目覚めるのが遅いのに、心配したのだと。


  ちなみに、連絡をしたのは、たまたま、魔法室の前を通りかかった同じクラスのアンズさんだと聞いた。


  命の恩人といっても過言ではない。

  後で、お礼をしなきゃ


  と、思っていると先生が、


  「どうして、倒れていたの? 特に目立ったキズばなかったし。」


  「僕にもわかりません。急に意識がなくなったのです。」


  自分の今の率直な気持ちを先生に言った。

  それでも、あの夢のことは言わなかった。

  事件に関係しているとは思えないし、言っても、余計に話が厄介になるだけだしな。


  その後、保健室でしばらく雑談をしていると、部屋のドアがノックされた。


  林が、そのドアを開けると、前には、二人の男性が立っていた。


  二人とも、同じような黒色のスーツを着ていて、胸元には、紫色のバッチをつけている。

  あのバッチは、リンドウという花が、モデルはなってると聞いたことがある。

  そして、リンドウのバッチをつける人達は一つしかない。

  警察だ。


  二人のうち後ろにいる方は、見た目はとても若くて、少し緊張しているように見える。

  その見た目の通り、新人の警察なんだろう。

 

  手前の方は、見た目的には、後ろの人と変わらないが、堂々としている感じがする。

  俺の目をずっと見ている。


  「今回の事件について、タク君にお話を伺いに来ました。君が、タク君だね。少し、時間いいかな?」

 

  以外にも、言葉を発したのは、後ろにいた方だった。

  笑顔で、喋りかけてきたのも警戒させないためだったのだ。

  その理由を俺は知る由もなかった。

  自分が、疑われていると。


  先生とナオヤは、二人揃って、部屋を出て行った。

  この状況を察した故の行動だろう。


  部屋を出て行くとき、


  「何かあったらすぐ呼べよ。」


  と、耳元で囁いて、部屋を後にした。


  三人だけの空間になった時に、二人は警察手帳を見せて自己紹介をかるくした。


  後ろにいた方、新人の名前は、ユウ。

  前にいた方は、ソウタ。

  と、名乗った。


  ユウさんが、話そうとした瞬間、それを遮るかのようにソウタさんが言った。


  「単刀直入に言います。我々は、あなたを疑っています。簡単に言えば、第一容疑者なわけです。自首するなら今ですよ。」


  と、鋭い目つきで言った。


  ユウさんは、少し呆れた顔をして、ソウタさんに何かを言っていた。

  おそらく、言葉が厳しすぎるとか、そう言う類のものだろう。


  しかし、俺は、驚きを隠すことができなかったのか、警察官の二人は、しばらく話そうとしなかったし、目を合わせようとしなかった。

  彼らも、これが仕事なんだ。と自分に言い聞かせたが、動揺は隠せなかった。


  人生で、一番衝撃的なことだった。

  今まで、感じてこなかった恐怖に突然取り憑かれたような気分なった。


  頭が、真っ白になり、それからの、会話は全くと言っていいほど、覚えてない。


  覚えていることといえば、家宅捜索の協力、口外しないこと、ぐらいしかない。


  そんな状況でも、いや、そんな状況だから、言ったのかもしれない。


  自分も捜査に参加させてくれ と。


  これから、俺は事件という蟻地獄に引き摺り込まれ、抜け出せなくなることになる。

 

読んでいただきありがとうございます。

今回は、どうでしたか?

是非、コメントお願いします。

次は、内容が濃くなる予定です。

それでは、次の話で会いましょう。

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