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何某という杖と夢の物語  作者: α
学校騒動編
2/18

魔法と杖

読者の皆さん、こんにちは。

作者のαです。

初めてということもあるので、細かいミスなどは大目にみてください。

今回の内容ですが、この後書くにあたって大切なワードの説明がしてあります。

また、話の展開が面白くなるミソを書いてあります。

どうぞ、お楽しみください。

  ジリリリリ!


  アラームが鳴る音が聞こえる。

  窓から、朝日が差し込む。

  目を開けずに手探りで携帯を探す。

  思い瞼をあげ 、携帯のロック画面に表れているアラームの表示を消し時間を見つめた。

  時刻は、午前7時、月曜日。


  あれから、4時間経ったのか


 と、思いつつ


  「学校だりいなぁ……」


  そんな言葉が思わず口から溢れた。


  頭痛がするから、しばらくぼーっとして、肩が外れそうなぐらいたくさんの教科書が入った鞄を肩にかけ、リビングへ行く。


  一階には、特に目立つ物もなく殺風景で、何かにもの寂しい感じがするが、


  いつものことだ


 と、気にせずに食パンを口に放り込み素早く朝食を済ませる。

 

  パジャマ姿から、着慣れた制服へと着替えた後、何か違和感を感じるが洗面台へ向かい身支度を進める。


  俺には、暖かい朝食を用意してくれる母親がいなければ、休みの日に遊びに連れて行ってくれる父親もいない。勉強を教えてくれる兄弟は今はいない。


  母親は早くに病死して、父親は、ギャンブルに明け暮れ借金を返せず蒸発した。

 

  兄弟は、姉がいた。成績が良く、クラスのみんなから好かれていて、まさに理想の姉であり俺の目標だった。父親がいなくなってからは、唯一の家族だったから俺は姉を慕った。

  だが、その姉が数年前突然失踪した。理由は未だにわかってない。

  警察はなんらかの時間に巻き込まれたか、誘拐されたといったが、あの姉がそんなことになるはずない。

 

  結局、事件は解決せず迷宮入りした。


  当時、中学生で家族がみんないなくなった俺は親戚の家に引き取られた。親戚の人たちは本当にいい人だった。俺を暖かく迎え入れ、孤独を感じないよう我が子のように可愛がってくれた。

  此方にも感じ取れるぐらいだった。


  それでも、本当の家族の愛が少ない俺の心は満たされなかった。心にぽっかり空いた穴は埋まらなかった。

  そう、まるで無に何かを入れようとしているみたいに。


  殺風景だと思うのはそのせいかもしれない。


  そうこうしているうちに、電車の時間が迫ってきたので家を急いで出た。

 

  自宅は、駅近くのマンションの一室。

  ここのマンションは、ほぼほぼ学生が住んでる。というのも、このマンションはこれから行く「魔法専門学校」の建物だからだ。

  正確にいうと、政府が所有している。


  俺が、「魔法専門学校」へ進学する決め手にした一つにそれが含まれている。

  徹底した安全管理、衛生管理。


  親戚の家に引き取られた時、もちろん転校したが、その後の進学先は全く考えてなかった。

  「魔法専門学校」は、高等学校すなわち高校の位置に属していて、その上、家が保証されているのは好都合だった。


  「おーい、タク。はよこいよー」

 

  エントランスの方から、聞き慣れた声が聞こえる。


  彼は、ナオヤ。

  転校先の中学での親友であり、俺に「魔法専門学校」への進学を勧めてきた人物だ。


  ナオヤは、転校して間も無く、クラスに馴染めない俺に最初に話しかけてくれた。

  だから、ナオヤが勧めてきた時は嬉しく、それまであった不安が一気に吹き飛んだ。

  彼はそういつ奴だ。


「今日の小テストの勉強した?」


  ナオヤが尋ねてきた。


  「もちろん、やってねーよ」


  「やっぱりそーだよね。」


  いつも通りの会話をする。

  月曜日には、毎週恒例の小テストがある。

 俺とナオヤは、それほど成績がいいわけでもなく、悪いわけでもない。大体真ん中ぐらいの順位にいる。

  小テストは午後からあるから、昨日勉強しなくてもいいわけだ。

 

 マンションから、駅までの距離はそれほど遠くない。

 くだらない話をしているとすぐに駅に着いてしまう。

 案の定、駅に着いてしまった。


  駅には、沢山の学生がいて、混雑していた。

  これも、いつも通りだ。そりゃそうだ。同じ学校へ行く生徒が一斉に集まるのだから。


  ナオヤと、学校の愚痴をこぼしながら「杖」を使って改札を通る。


  この「杖」こそが「魔法専門学校」の生徒の証である。


  政府は、魔法という技術を確立した後、それをどうやって扱うのか迷ったらしい。


  何を介して扱うのか?


 そこで、何千年前から魔法を扱うのに適しているイメージ。

  つまり、「杖」が魔法を使うための媒体となった。


  かと言っても、「杖」はまだまだ普及していない。その安全性が疑われているのだ。

  それに加えて、とても高価である。

 なんせ、夢の力「魔法」を扱うことができるのだから。


  そんな杖を持っている学生は、多いだろうか?いや、多くない。少ないだろう?

 

 魔法専門学校の生徒には、杖が無償で提供されるのだ。

  だから、生徒の証明になる。

 

 毎年、杖を使いたいと思う中学生はそう少なくない。そんなに高いものを無償でてない入れられるのだ。

  こんなに美味しい話は珍しいから、受験生が多く、倍率がとんでもないことになる。


  二人は、驚くべき倍率の中を勝ち残ったのだ。

  今は、そんな面影は皆無だがな。


  やがて、ホームに降りると電車が到着した。

  幸いこの電車は、学生専用だから全く混んでいない。

 

  電車に乗ると、今まで忘れていた肩の荷の重さが急にのしかかってきた。

  ナオヤが、早くこいと言わんばかりに手を振っている。

  ナオヤと同じ席に座った。


  「 今朝の夢はなんだったんだろう?」

 

  と、不意に口から漏れた。


  「ん? 何か言ったか?」


  そう、ナオヤが言った気がした。


  僕は、ナオヤの口が動いているのが見える。


  一体、なぜ俺はあんな夢を見るんだろうか?

  なんの意味があるのだろうか?

  俺が、あんな夢を見たがっているのか?

  もしくは、誰かに見せられているのか?


  流れ行く景色を見ながら、考える。


  「……おい、大丈夫か? 聞いてる?」


  ナオヤが肩を叩きながら言った。


  「あ、ああ。大丈夫だよ。で、なんの話だったけ?」


  「だから、なんでそんなに荷物が多いんだよ。今日は、副教科ばっかりだぞ。」


  言われてみればそうだ。

  どうして、こんなに多く持ってきてしまったのだろう?


  「なんでだろうな? 自分でも分かんね。」

 

  適当に返す。

  どういう話のつながりで、俺の荷物の話になったんだ?

  まあ、いいっか。


  流れる景色の向こうに、真新しい綺麗な建物が見えてきた。

  あれこそが、俺が通う魔法専門学校だ。

 


読んでくださってありがとうございます。

今回は、どうでしたか?

ミソを見つけることができたなら、この後がもっと面白くなります。

次は、明日か明後日に出ます。

それでは、次でお会いしましょう。

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