プロローグ
僕は一体どこにいるんだ?
「フッフッフハーハッハ!」
近くから狂気じみた笑い声が聞こえてくる。
ん?
どこかで聞き覚えがある。
しかし、思い出せない。
ぼんやりしていてよく見えないが、黒い何かが蠢いている。
あれは、黒炎だ。
まるで生きているかのように、唸りながら、周りのものを全て飲み込んでいく。
此方に近づいて来るが、逃げようにも逃げれない。
黒炎に巻かれる瞬間ー
突然、場面が変わった。
辺りを見渡すと、右に横たわっている一人の少年の姿が窓に反射して見える。
太くも細くもなく、年相応のそれなりの体型をしている。
俺は、窓に映る自分の姿を見て
「また、あの夢か……」
と、呟く。
手元の時計を見ると午前3時を示している。
寝汗をかいたせいか、少し体がぬれていた。
その悪夢で、少し頭痛がする頭を抱え水を口に流し込んだ。
そして、もう一度寝るためもう一度ベッドに向かうがなかなか眠ることができない。
あの光景が、頭の中をフラッシュバックして恐怖に駆られる。
なぜ、俺はあんな夢をみるんだ?
と、思考を駆け巡らせるが、当然答えは見つからない。
しばらくたち、
あのこと が、関わっているのか?
と、もうすぐ答えに辿り着きそうな気がした時、急に睡魔に襲われ瞼が重たくなる。
誰かに無理やり眠らされている感覚がするから、それに抗うように俺は、目を開けようとする。
だが、その抵抗は虚しく段々瞼が閉じていく。
答えなんてどうでもいいや
あのことって何だったっけ
そんな言葉が、頭の中に生まれる
誰かに考えを押し付けられているみたいだ。
閉じていく瞼の向こうに、さっきと同じ夢が見える。
やがて、視界は完全なる暗闇に覆われた。