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魔法使えますけど・・・何か!?  作者: 八剱蒼弓(旧名kata)
第7章 閉ざされた世界
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第61話 ケルベロスを倒せ2

 護とガブリエルは魔界へと続く地獄の階段に一点集中。伊織はケルベロスに備え、詠唱を開始。同時にラファエルも伊織に合わせて攻撃準備。


「僕がシールドを展開するから、伊織はあいつを一撃で仕留めるデカイヤツを頼む」


 長期戦になると、勝ち目はないと悟ったラファエル。伊織に託したデカイヤツとは....。伊織は考えた。魔力を具現化させるセイントアローで心臓を貫くか? はたまた、セイクリッドレインで頭上から一気に叩くか? シャイニングフレアだと規模が大きすぎて、地獄の階段への建物内が崩壊しかねない。


「決めた!」


 伊織は腹をくくった。先ずは護とガブリエルを先に魔界へ行かす事。魔力を集中させ、一点に魔力を集める。


「神里君、今よ! 走って!」


「う、うん」


 護とガブリエルが一気にに走り出したのを確認し、集中していた魔力を一気に解放。ケルベロスの頭上から光の雨が降り注ぐ。


「セイクリッドレイン!!」


 伊織の放ったセイクリッドレインが、ケルベロスの姿が見えないくらいに砂煙を立てた。その瞬間、護はガブリエルの手を引っ張り猛ダッシュで地獄の階段へ。


「ありがとう。宮本さん」


 そう言い残し、護とガブリエルは地獄の階段を下りて行った。ここまでコケにされたコキュートスにどこまでやれるかわからないが、足掻いて足掻いて、足掻いてやると心に誓った護。


「さて、本腰入れなきゃね。ところでハチベエさん良かったの? 神里君に何か言わなくて」


「護とはまた必ず会える。あいつはそんなやわな男じゃないさ」


「ずいぶん彼を買っているのね」


 砂煙が晴れ、完全にお怒りモードのケルベロス。言葉は話せないにしても、ここまでコケにされ、伊織とラファエルを駆逐してやると。


「グルル......ウガァー!!」


 爪を立てて、牙を剥き出しにし伊織に襲いかかる。咄嗟にラファエルが防御壁を展開し、直ぐ様エンジェルスピアで応戦。三つ頭だけあって、パワーも相当な物、踏ん張りが効かなくなってきた。


「ラファエルさん!」


「伊織....こいつ相当やばいぞ! 僕一人では.....」


 素早いだけに隙がない。何とか動きを鈍らせれば...伊織は考えた。ケルベロスと言っても、所詮は犬。新しい遊び道具さえあればじゃれつくだろうと。


「伊織何を?」


 ラファエルが疑問を抱きながら伊織を見る。伊織の手からホーリーボールが発動され、ケルベロスに向かって飛んでいく。


「さぁ、ワンちゃん達お遊びの時間だよ」


 ホーリーボールを縦横無尽に遠隔操作で操り、時にはバウンドをさせてケルベロスを翻弄し始めた。護に出来て自分に出来ないはずがないと伊織のプライドがそう突き動かす。


「伊織! このままじゃらちが明かないぞ!」


「えぇ! わかってるわ! ラファエルさん今の内に攻撃を」


 ホーリーボールに気を取られてる内に、ラファエルがエンジェルスピアを取り出し、切っ先から弧を描いた衝撃波が飛んでいく。ドカーンと爆発音を立てケルベロスに命中。衝撃でケルベロスが吹き飛び、壁に体が打ち付けられた。


「やったか?」


「わからない......でも、まだ起き上がると思う」


 伊織は次に備え再び魔力を集中させる。これだけの強敵、次の手段はこれしかないと決めている。


「伊織ちゃん、いつでもいいぜ!」


「ハチベエさん、わかってるじゃない!」


「伊織ちゃんの考えはページを伝って流れてくる! ついでに今日の下着の色もわかるぜ!」


 ハチベエの最後の発言で伊織がキレないわけがない。怒りのあまり本がズタボロになるくらいまで、床に叩きつけては足蹴にする。冗談でも流石にやり過ぎたと後悔するハチベエ。その割には随分と痛めつけられてるのに何故か喜んでいる。これを見たラファエルはさすがに引いてしまった。


「次、ふざけたら燃やすからね!」


 仕切り直して、もう一度魔力を集中。同時にハチベエも光を発し、伊織とシンクロする。


「伊織!」


 ラファエルが叫ぶと、ケルベロスが起き上がり伊織に突進準備を開始する。再び牙をむき出し、爪を立て前足を何度も蹴る仕草をしている。その瞳は獅子が獲物を狩るが如く、ただ静かに唸り声を上げている。


 伊織は魔力を集中させ、ハチベエとシンクロが高まるまで無防備状態。そんな無防備状態の中、ついにケルベロスが突進して来た。すぐさまラファエルが槍を取り出しケルベロスを伊織に近づけさせない。伊織まだか? と怒号するが、伊織には聞えてないない。反撃の糸口も見つからず、ラファエルは防御壁を展開し、ひたすら耐えている。


「い、伊織、もう限界だ!」


「闇をも振り祓う大いなる光よ、聖なる審判、神の鉄槌を!」


 もうだめかと思ったその時、伊織が詠唱を始め大気が震え始める。強大な魔力を感じたラファエルは直ぐに避難、同時にケルベロスが伊織に襲い掛かった瞬間.........。


「シャイニングフレア!!」


 伊織の放ったシャイニングフレアは、避ける間もなくケルベロスに命中する。冥界の番人だけあって、そう簡単に身が滅ぶ事もないと諭し、迷いなくシャイニングフレアを解き放った。


 最初は抵抗をしていたケルベロス、ハチベエが伊織にこのまま押し切れ! と励まし、次第にケルベロスがシャイニングフレアに耐えられなくなり、やがて体が吹き飛び意識を失った。


「やったの?」


「伊織ちゃん! やったヤツはもう立てないはずだ!」


「伊織また強くなってないか?」


 伊織が以前よりパワーアップしているのを感じたラファエル。だが、伊織は特に何もしてはいないが、ジールが課した魔法の書き取りノートが、ここに来て成果が出たのではないか? と伊織は言う。


「ウガ? ウガガ?」


 程なくして、ケルベロスが意識を取り戻す。最初は驚いた一行だが、ケルベロスからは邪悪なオーラは感じられず、おそらく正気に戻ったのであろう。


「ウガガ? ガウガウ! ウガ!」


 訳すと、あれ? 何で俺達ここにいる? ここは冥界じゃねーのか? ここはジブリールだ! ハーデスの元に帰らないと.....あのスケベジジィ俺達が居ないと何にも出来ないんだよなぁ......どっちが主人だかわかりゃしねぇ.......。


 伊織達に目もくれずに冥界へ猛ダッシュして帰ったケルベロス。何とか一時を凌いだ伊織。後は護が魔界から闇の書を持ち帰るのを待つだけ。今、伊織に出来る事は護の無事を祈るだけだった。



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