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魔法使えますけど・・・何か!?  作者: 八剱蒼弓(旧名kata)
第6章 狙われたアイドル
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47話 とある天界の日常

「あー平和だ……バカリエルがいないとこんなに静かとはな」


 ガブリエルが人間界に休暇で降り立った同日、ラファエルはいつもの天界での務めを果たしている。


「今日も魔界は異常なし……と」


 あまりにも平和のため、天界の住人はガブリエルを含め、ほとんど休暇に入っている。そんなわけで、ラファエルが自分の仕事の他に一時間おきに、魔界の監視をしている。


「ラファエル、休憩にしませんか?」


「ミカエル様」


 ミカエルがお茶菓子を持ち、ラファエルに声をかける。ラファエルもお言葉に甘え、休憩を取る。


 淹れた紅茶に、シフォンケーキがよく合う。天界名物天使のシフォンケーキ。口に運ぶとふわりとした口どけに、上に乗ったホイップクリームが何とも言えない。


「ラファエル、タルタロスとの戦いお疲れ様です。傷がまだ癒えないのに仕事させてしまって申し訳ない」


「い、いえ、とんでもございません。ミカエル様」


 タルタロスとの戦いで受けた傷がまだ癒えずに、ミカエルはラファエルを気遣っている。現状人間界も、魔界も平穏な日々を送っている。それはもちろん、ジブリールと天界も。


「ガブリエルの休暇が終わったら、ラファエルあなたも英気を養いなさい」


「あ、ありがとうございますミカエル様」


 一日の務めを終え、自宅に帰ったラファエル。

 ………家の鍵が開いてる。

 まさか? どろぼう?


「誰だ……」


 恐る恐る扉をそっと開く。


「お帰りなさい、ラファエルちゃん」


「げっ! 何でここに」


 ラファエルの家に居たのはジール。勝手にラファエルの家の食料をつまみに、酒盛りをしていた。


「お前! 不法侵入だぞ!」


「あらぁ? ミカエルから何も聞いてない?」


「????」


 ますます、わけがわからない。

 ジールの話だと、天界にタルタロスの件で報酬を貰いに来たジールであったが、ジブリールに帰るゲートがメンテナンスのため、一日休業し帰れなくなったと言う。

 それから、ラファエルの家に泊めて貰うとミカエルに話し、ミカエルはそれをラファエルの許可を得る話をするのを忘れていた。


「もしもし、ミカエル様! 招かざる客がいるなんて聞いてませんよ!」


 怒り露に、電話でミカエルに怒りの抗議。


「ラファエル、すいません。言い忘れてました。ジールは天界の商業会の間では評判悪くてね……言わば出禁になってるんだよ。当てがなくてラファエルに頼もうかと。それにジブリールの協力がなければタルタロス撃破難しかったし、一日だけ頼みます」


「……やれやれ、わかりましたよ」


 やむを得ず、ジールを家に泊めるラファエル。それよりか、酒臭いし、うるさい。


「あーあ、食料ほとんどないじゃん……夕飯の材料買い出しだな」


「ラファエルちゃん、お酒足りないから買ってきて」


「少しは自重しろ!」


 買い物から帰宅。テレビをつけ、更に酒が続く。チャンネルは勿論、人間界のテレビ番組。


「お帰りなさい、つまみがなくて困ってたのぉ」


「ミカエル様の命令だから、仕方ないが、本来ならお前はとっくに追い出されているからな!」


 イラつきながら、夕飯を作りジールには酒のつまみを提供し、後は勝手にやっていろ的な態度でジールをもてなす。


「……本当にこいつ面倒くさい。だから酔っぱらいは嫌いだ」


「ラファエルちゃぁーん、シャワー貸りるわねぇ、覗いちゃ、だ、め、よ」


「誰が覗くか! 一辺死ね!」


 ジールの振る舞いに、調子が狂う。早く明日になって欲しい。


「ふぁあ、良く寝たわ。ラファエルちゃぁーん、あ、り、が、と、チュッ」


 いつの間にか寝てしまい、朝を迎える。投げキッスを飛ばし、嵐の様に去ったジール。ラファエルの胸の内は、誰かこいつを冥界送りにして欲しい。


















間をおいて、今回は天界のお話でした。

閲覧ありがとうございました

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