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ガーデン12

 シロッカスの邸宅は見た目通りの豪邸であった。

 食事のあとにシロッカスに宿泊を勧められたヒヅキは、シロッカスの圧しに負けてしまい、シロッカスの勧め通りに宿泊することに決めた。

 その後に使用人に案内された風呂場や客室は、ヒヅキが見たこともないほどに豪華であった。

 ただ、豪華といっても高そうな品物がゴテゴテと飾られているのではなく、さりげなく置かれてる家具や消耗品などの質があまりにも良すぎて、ヒヅキはそれに恐縮するあまり最小の動きで行動し、隅で縮こまっていた。

 そんなヒヅキの元に、使用人から連絡が入る。

 それはシロッカスからの呼び出しで、内容は仕事の詳細について話し合いたいとのことであった。

 ヒヅキは呼びに来た使用人の先導によって、シロッカスの書斎に案内されると、直ぐに中へと通される。

「夜分に突然呼び出したりしてすまなかったね」

 ヒヅキの姿を確認したシロッカスは、まず最初にそう詫びた。

「いえ、私は泊めて頂いてる身ですので、お気になさらずに。それに仕事の話でしたら、私としましても、早い内に聞いておきたかったので」

 ヒヅキは小さく頭を振ってそう言葉にすると、シロッカスが勧める椅子に腰掛けた。

「夜も遅いから、早速本題に入ろうか」

 ヒヅキが腰掛けた椅子の向かい側、机を挟んだ先に置いてある椅子に座ったシロッカスは、先にそう断ると、本題に入る。

「まず仕事の内容だが、最初から言っているように武器輸送時の護衛を頼みたい。目的地はガーデンから真北にあるコント砦で、第2王子ゴリオン様が指揮を執っている。護衛にはヒヅキ君以外にも三人雇っていて、人足は二十人に私も付いていくので、総数二十五人で移動する。それと、武器を積んだ荷台は四台だ。そして、今日から3日後にガーデンを発とうと考えているが、可能かな?」

「はい。大丈夫です」

「それは良かった。次にとりあえず3つほど注意事項を述べておくが、まず火急の際は人足の命を優先してくれ。可能なら私や武器まで守ってほしい。次に平時の喧嘩や揉め事は控えてくれ。最後に、ゴリオン様に逆らわないでほしい。あの方は傲慢で自己中心的だ。とりあえず相手を持ち上げるか、無言を貫き、それと表情にも気をつけてくれ。あの方は人の話を聞くつもりのない方だから、意見を求められても無言で大丈夫だ」

「は、はぁ。分かりました」

「よろしく頼む。まぁゴリオン様とは私が話すから大丈夫だとは思うが、念のためにな」

 そう言い終わると、シロッカスは重いため息を吐いた。

 その見るからに嫌そうなシロッカスの態度で、第2王子ゴリオンの人となりが何となくだが理解できたヒヅキであった。

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