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残響67

 これであれば問題ないかと、スキアの数を確認したヒヅキは、一旦山から距離を取る。

 山に登ってきたスキア達は移動したヒヅキ達を追う事はなく、山を登ったところで足を止め、そこから動かない。

 山に登ってきた全てのスキアを確認したヒヅキは、記憶に在る元々居たスキアの配置と照らし合わせて、ふむとひとつ思案げに声を零した。

(完全に、という訳ではないようだが、それでもほぼ同じような配置だな。という事は、あの位置で待機するように神から指示でもされているのだろうか?)

 だが何のために? そう疑問に思うヒヅキ。対象は地下深くに居て、そこから地上に出てくる気はないのだから、高所からの見張りに意味が在るようには思えない。

(それを理解していないという訳ではないだろうに)

 今までの話から推察するに、神というのは性格は別にして能力としてはかなり高く、正しく神といえるほど。

 そんな存在である。いくら地下へと逃げたとしても、その様子を察知出来ていないとはヒヅキには思えなかった。

(有効範囲については別にしても、こうして俺でも出来るような事を神が出来ない訳がないだろうし)

 であれば、やはり世界規模では細かな所までは把握できないのかもしれない。しかし、仮にそうだったとしても、既にその規模は結構縮小されている。であれば、いつまでも把握出来ていないと考える方が不自然だろう。

(まぁそれを言ったら、地下に夢中なスキアという時点で変な話なのだが)

 そこまで考えたところで無意味と判断したヒヅキは、浮かべていた考えを適当に放りだす。

 その後は、山から少し離れた場所から地下街とその地上部分の観察を行う。まだ全容は掴めていないが、それでも最初の頃よりは成長していた。

 時折魔力水を口にしながら、感知魔法に集中していく。邪魔が入らずスキアに襲われる可能性も低いこの地は、ヒヅキにとっては絶好の修練場。

 しかも、やろうと思えば好きに魔法が放てるのだから、これ以上の修練場も無いだろう。

 それに気づいたヒヅキは、せっかくだからと直ぐには地下街を目指すことはせずに、もう少し魔法の修練をする事に決めた。

 感知魔法で地下と地上の感知をしながら、たまにフォルトゥナに助言を貰い、ヒヅキは魔法の修練を行う。感知魔法の修練が主だが、それに伴い魔力の扱い方が更に研ぎ澄まされていく。

 徐々に感知魔法の方も上達していくが、ヒヅキの場合は魔力効率の方の成長が著しい。魔力の扱いに関してのみではあるが、ヒヅキはかなりの才能を持っているのが改めて窺えた。

 しかし、フォルトゥナを容易く越えるほどの魔力を扱う才能があるというのに、どうやってもヒヅキが扱う普通の魔法は効果が半減してしまう。

 ヒヅキが扱う魔法は魔力効率が普通の魔法使いよりも抜群に良いので、その分消費魔力量は抑えられている。そのおかげで効果が半減だからといって、単純に普通の魔法使いと同程度の威力で魔法を行使しようとしたら消費が倍になるという事はない。

 それでも普通に行使したらそれぐらいの負担が必要なのは事実なので、非効率なのは確か。現在のヒヅキでも普通の魔法使いと同程度の威力で魔法を行使しようとすれば、普通の魔法使いよりも少し多めに魔力を消費しなければならない。

 本来であれば、効果が半減だからと同程度まで高めれば魔力消費量は倍などという生易しい倍率ではないので、その結果だけでも脅威的ではある。しかし、保有魔力量の多くはないヒヅキにとってはそれでも痛手なので、あまり多様出来るものではない。とはいえ、魔砲や過去視の方がそれ以上に魔力消費量は多いのだが。

 唯一光の剣だけは、大きさによってはその通常魔法よりは魔力消費量が少なかった。それだけ長いこと使用しているという事なのだろう。

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