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人探し105

 女性が帰ってくる頃には、魔鉱石の精製が10個ほど終わっていた。呑み込みが早いというのも在るが、やはり何をやってもフォルトゥナはヒヅキ以上の能力を示す。

 日に日にその速度も上がっているので、まだまだ発展途上なのだろう。とはいえ、別にヒヅキも慣れている訳ではないので、その事について悔しくはない。むしろ魔鉱石は沢山あるので、頼もしいぐらい。

 帰ってきた女性と挨拶だけ交わすと、エイン達が天幕から出てくるのを待つ。その間にフォルトゥナは片付けを行う。

 少しして起きてきたエイン達と一緒に朝食を摂ると、片付けなどを済ませて出立する。

 出立して少し歩いたところで、ヒヅキは空に目を向けた。

(雨が降りそうだな)

 視線の先では雲量の少ない青空が広がり、雨が降りそうな雰囲気はない。しかし、ヒヅキは近いうちに雨が降りそうだと判断して、後方の三人にその事を告げる。

 その後に軽く話し合いを行って、天幕を張って少し様子を見る事にした。

 天幕を張って四人は空の様子に注視する。

 まだ昼少し前だが、雲量が急に増えだしたので、周囲はやや暗い。それで雨が降ると判断した四人は、天幕の中に入って休憩する。雨が降りそうではあるが、このまま昼過ぎまで雨が降らなければ移動を再開する予定。

 ちなみに、女性はいつの間にか何処かへと消えていた。

 四人が昼食を摂っていると雨が降ってくる。そこまで強い雨ではないが、今日のところはこれで移動は終わり。

 1日時間を浪費するが、まぁ自由時間が出来たという事だろう。その間にヒヅキは過去視や別次元を視る修練でもする事にした。

 エイン達が居るからか、フォルトゥナは周辺警戒だけで魔鉱石の精製は行わない。別にヒヅキは何も言っていないのだが、エイン達が居ると集中できないのかもしれない。

 そのエイン達は、背嚢の中身を出して整理している。長い事旅をしているので、洗い物も増えていた。一応たまに洗濯する時間を設けてはいたが、そう頻繁ではない。魔力水があるとはいえ、やはり洗濯は川などの水辺の方がいいらしい。気分的なモノだろうが。

 とはいえ、付近に水辺は無いので、魔力水を桶に溜めて洗濯している。ヒヅキ達もそんな感じだが、近いうちにまた時間を作った方がいいだろう。

 因みに、洗濯した物の乾燥はフォルトゥナが魔法で行っているので、直ぐに乾燥させている。多少の汚れであれば、フォルトゥナは魔法で綺麗に出来るのだが、これもまた気分なのだろう。

 天幕を叩く雨音を聞きながら、今後の予定を少し考える。詳細は夕食後の話し合いで決める予定だが、現在思ったよりもやや早い移動速度なので、何処かで洗濯などを行う時間を設けようかと思っている。後はそれをどの辺りで行うのがいいかだが。

(この足止めは少し先に響くな。明確な予定がないからまだいいが、ガーデンに早く着くならそれに越した事はないだろう)

 現在地からガーデンまでそれなりに距離がある。近いなら自由時間は必要ないだろうが、そうもいかないだろう。実際はどうかは知らないが、それはヒヅキなりにエイン達を気遣った結果なので、フォルトゥナにとっては面白くない話だろうが。

 ヒヅキは過去視から感知魔法に切り替え、先の様子を調べていく。

 エインの話の通り、感知範囲には村落のような人の集まりは何も無い。だが地形は全体的に平坦で、この先も移動や休憩はしやすいだろう。

 そうして周辺を調べながら、短期的な今後の予定をヒヅキは考えていく。昼食は各自に任せているので、食べたければ携行している保存食を食べればいい。

 なのでヒヅキが気にせず集中していると、直ぐに夕方になっていた。その頃には雨も止んでいたが、もう夕方なので今から移動するのも大変だろうという事で、そのまま天幕で夜を過ごす事にした。

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