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人探し65

 スキアとの距離はあまり離れていないので、スキアほどではないが、ヒヅキでも直ぐに到着する。

 到着と同時に現出させた光の剣でスキアの一体を奇襲して倒す。

 三体はある程度距離を置いて周囲を警戒していたようで、一体倒したところで離れたところに居た二体がすぐさまヒヅキに襲い掛かってきた。

 しかしヒヅキもスキアとの戦闘には慣れたもので、予想通りのスキア達の行動に危なげなく攻撃を躱しながら、反撃で一体を斬り倒す。

(やはり人型数体程度では脅威も感じないな。たまには身体を動かそうかと思ったが、これでは準備運動にもならないか)

 スキアの中でも鈍足な相手の攻撃などヒヅキに通用するはずもなく、残った一体も驚くほど呆気なく倒された。

 その後周辺を警戒してみたものの、近くに他のスキアの気配はなかったので、ヒヅキはフォルトゥナ達の許へと戻る。

 ヒヅキが三人の許へと戻った時には、もうすぐ朝という時間。いつもならそろそろエイン達が起きてくる時間であった。

 ヒヅキはフォルトゥナにスキア討伐を伝えた後に、他に近くに居ないか確認を行う。それを行っていると、エイン達が目を覚ます。

 目を覚ましたエイン達と朝の挨拶を交わしながら、ヒヅキとフォルトゥナは朝食の保存食と魔力水を用意する。

 それを起きたエイン達に渡していき、それぞれに行き届くと、食前の祈りを捧げて朝食を食べ始めた。

 朝食を食べている内に周囲は大分明るくなってきたので、準備や片付けを終えて移動を開始する。

 エイン達が起きてくる前にスキアを殲滅したが、その際に道の先の様子を確認したヒヅキは、この隘路がもう少し続くのを確認していた。それでも少し頑張れば、今日中には隘路を抜ける事が出来るだろう。

 場所は悪かったとはいえ、しっかりと休憩は取っているのでエイン達の足取りは悪くない。隘路の終わりはやや遠いので、昼休憩は無いのだが。

 周辺に脅威は感知していない。一応警戒はしているも、現在ヒヅキは過去視を使用しているので警戒範囲はかなり狭い。この辺りはフォルトゥナが周辺警戒しているので問題ないだろう。

 それから一路谷間の細い道を進んでいくと、夕方少し前には隘路を抜ける。隘路の先はまばらに木が生えている林であった。

「ここの林は…………救いの実の群生地? 本当にどこにでも生えているんだな、この木は」

 近くの木を見上げたヒヅキは、呆れ混じりながらも感心したように呟く。結構高地まで進んだというのに、その木は変わらず生えて木の実を付けている。

 木はまばらに生えているので、木々の間に天幕を一張りぐらいであれば張れるだろう。

 岩の硬い地面から、木々の生える土の上へと移動すると、適当なところに天幕を張る。土の上もそこまで柔らかくはないのだが、それでも岩の上とは比べるまでも無い。

 天幕を張り終えた頃には日が暮れかかっていて、周囲は暗くなっていた。

 角灯に火を灯すと、天幕近くに敷いた防水布に座って夕食を摂る。その後に話し合いを行うが、現在地はホーンの東側。そのまま北に向かって進んでいるが、このまま幻影を追って行けばキャトルに入る事になるかもしれない。全体の方向としては北東に向かっているのだから。

 ここまで来るとエインでも道が分からないようで、話し合う内容も特に無い。

 早々に話し合いを終えると、エイン達は桶に入った水を抱えて久しぶりの天幕の中へと入っていった。

 ヒヅキ達は周辺警戒をしながら静かに夜を過ごす。ヒヅキも久しぶりに過去視の制御ではなく、他の魔法を調べていく。他の魔法ももっと制御出来るようになれば、過去視との併用も出来る事だろう。

 そう考えて使える魔法を確認した後、ヒヅキはひとつずつ魔法の制御を行っていった。そうして夜が更けていく。

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