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人探し59

 翌日は朝食を終えて片付けなどを済ませると、早速横穴へと魔鉱石を採掘しに移動する。

 朝には姿を消していたウィンディーネ以外の四人で横穴内に入るとかなり狭く感じるが、それでも採掘する分には問題ない。

 各々厚手の手袋をして採掘道具を手にする。

 フォルトゥナの分はガーデンで食料を買った時についでに購入していたが、エイン達も自分達の採掘道具は持ってきていた。旅の用意だけはしっかりしていたようだ。

 それぞれが壁に向かって採掘していくが、ヒヅキとフォルトゥナは外から岩の中にある魔鉱石の場所が判るので問題ないとして、エイン達はそこまで出来ないらしく、とりあえず壁に採掘道具を振るっているのだが、それでも全く見当違いのところではなく少しずれたところを掘っているので、もしかしたら魔鉱石が発している魔力を微かに感知出来ているのかもしれない。

 それを見かねたヒヅキは、エイン達に魔鉱石の大まかな場所を伝える。あとは掘り進めていけば何処かで掘り当てる事だろう。

 ヒヅキはエイン達にそれを伝えた後、フォルトゥナの様子を確認する。現在フォルトゥナは頭上の壁を採掘していた。

 下には誰も居ないので問題ないが、それでも落ちてくる石は危険だろう。下には既に小山が出来ている。

 魔法で宙に浮きながらそんな採掘をしているフォルトゥナを眺めながら、本当に何でも出来るものだとヒヅキは感心する。それでもフォルトゥナ曰く、空中には浮けても飛行までは難しいらしいが。

 見た限りフォルトゥナの方は大量のようで、少し掘って見つけては腰に下げている小袋の中に入れている。それがいっぱいになったら空間収納にその小袋を仕舞って、新しい小袋を取り出して腰に取りつけていた。

 ヒヅキも同様に採掘した魔鉱石を腰に下げた小袋の中に入れているが、まだ2袋目。それもそろそろ満杯になりそうではあるが、フォルトゥナはそんなヒヅキの倍以上の速度で採掘している。天井には余程大量に埋まっているのだろう。流石は魔物が巣を作っていただけはある。

 全てが小指の爪よりも小さな小振りの魔鉱石とはいえ、これで予想以上に大量に魔鉱石が集まりそうだなとヒヅキは考える。後は大雑把に取り出した魔鉱石にくっ付いている周囲の岩を取り除いたりして精製しなければならないが、それは休憩時間や夜の内に少しずつ行えばいい。直ぐに必要という訳ではないのだから。

 そうしてその日は1日中魔鉱石の採掘を行い、日暮れ前には前夜に休んだ場所に戻ってくる。

 休憩は各自任せで昼休憩無しだったので、エインとプリスは疲れた顔をしていた。しかし、ヒヅキとフォルトゥナは普段通り。変わったところといえば、フォルトゥナが普段よりもやや多めに魔力水を飲んでいたぐらいか。

 採掘した魔鉱石は、ヒヅキが集めて保管している。後は時間を見つけて少しずつ精製していく予定である。

 夕食を終えると話し合いは直ぐに終わった。エイン達は就寝準備を終えると直ぐに眠ってしまう。余程疲労がたまっていたのだろう。

 ヒヅキは早速小袋をひとつ取り出すと、道具を用意して中身を幾つか外に出す。角灯に灯る明かりがエイン達の睡眠の邪魔にならないように、角灯のすぐ傍のエイン達側に背嚢を置いて明かりを防いでおく。

 拡大鏡を用意すると、眼鏡の様に両耳と鼻に掛けて固定し、片目の前に持ってくる。

 そうして用意した拡大鏡で魔鉱石を覗き込みながら作業していく。地味ではあるが、綺麗に取り出せればそれだけで価値が上がる。もっとも、ヒヅキは取り出した魔鉱石を誰かに売るつもりはないので、それについては関係のない話だが。

 そうして地味に作業していき、その日は夜が更けていく。過去視の制御以外の作業は、気分転換には持ってこいであった。

 しかし、それでもヒヅキは慣れている訳ではないので、魔鉱石を取り出す作業には時間が掛かり、結局夜通しその作業を行って、5個魔鉱石を取り出せただけで終わってしまった。

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