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人探し48

 夕方になり休息の場所を探す。周囲はごつごつした岩場なので、四人が座れる場所を探すのは一苦労。別々に座るのであれば問題ないのだが、フォルトゥナの適温に保つ魔法の範囲内に全員収まる範囲となるとそこまで広くはない。防水布の上だと問題ないが、効果範囲は大体持ってきた天幕と同じぐらいかやや狭いぐらい。

 それにエインとプリスが眠れるだけの広さも確保する必要があるので、効果範囲内でその条件を満たすだけの平らな場所を探して移動していき、手頃な場所を見つけた時には日が暮れる直前であった。

 角灯に火を入れ周囲を照らすと、夕食にする。

 四人が座れる場所は見つけたものの、相変わらず狭い。それでも中央に角灯を置く余裕はあるので、十分だろう。

 保存食を食べると、話し合いを行う。といっても、特に何も無かったので話し合う事もない。とりあえず現状確認だけ済ませると、荷物から毛布を取り出すエイン達。

 いつもより少し早いが、やる事もないうえに角灯の火を灯し続けるのも勿体ないので、エイン達は毛布に包まると角灯の火を消して眠りにつく。

 ヒヅキとフォルトゥナは変わらず周辺の警戒。窮屈そうに縮こまって眠っているエイン達の向かい側に並んで腰掛けている二人。ヒヅキは過去視の制御の為に目を瞑っている。前夜の試みは多少は意味があったものの、結局は多少でしかない。

 フォルトゥナはそんなヒヅキに眼を向けながら、魔力の流れに魅入っていた。

 離れた場所にスキアが居るといっても襲ってくる訳ではないので、実に平和なもの。スキア達はまだヒヅキ達に気づいていないのか、それとも興味が無いのか。その辺りは不明だが、平和ならば問題ないだろう。

 過去視の制御も進んではいるが、まだ使用しやすくなっただけで条件を設定するのは出来ていない。規模を狭めてみても扱いにくさは大して変わらない。

 そうして苦戦してはいるが、それでも進展があるのは救いか。あと数日あれば、もう少し進展しそうな手ごたえも感じている。

 ヒヅキは制御に集中して夜を明かすと、エイン達が起きた音で制御を中断させた。

 起きてきたエイン達と共に朝食を食べると、片付けや準備を済ませて先へと進む。

 幻影を追って険しい道を進んでいくと、壊された集落を見つける。

「バラバラだな」

 その惨状を見たエインが呟く。エインのその言葉通り、木を組んで建てていたらしい建物はバラバラに破壊され散乱している。家の中に置かれていた家具なども無残なもので、苦労して運んできたであろう木々が地面を覆っていた。

 しかし、見渡してみても骨は発見できない。散乱しているのは木片がほとんどで、服などの生活用品はあまり多くはない。

 骨はスキアが食べた可能性が在るにしても、人が住んでいたという割には物が少ない気がした。

(事前に避難したという事か? 無事に避難できたかは分からないが、どの段階で避難したのだろうか?)

 集落を軽く探索しながら情報伝達の仕方や情報網について思案したヒヅキは、ちらりとエインの方に目を向ける。エインの情報網もまた謎の部分が多い。役に立っているので文句はないのだが、この先何が起きるか分からないので気にはなった。

 しかし、現在はその情報網も後任に引き継いだような事をエインが何時だか話していたことを思い出したヒヅキは、まぁいいかと首を振る。今はその情報を聞くだけでも十分価値は在るだろう。

 それよりも今はこの場所の探索だと頭を切り替えたヒヅキは、木片をどかして何かないかと探していく。

 そうして探索しながら、今日はここで夜を明かした方がいいのではないだろうかという考えが浮かぶ。集落があっただけに、そこは全体的に平らな場所に整備されていたので、散乱している木片をある程度どかせばそのまま眠る場所を確保する事も可能だろう。

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