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人探し40

 周辺警戒をしつつ、傍らで過去視の制御を行う。

 過去視の発動で視界には幾つもの幻影が映るので、ヒヅキはその幻影に目を向ける。

 確認出来る幻影はおそらく5つ。ただ、何ヵ所も重なってしまっているので確実ではないし、その幻影が全て同じ時間軸の幻影とも限らない。

 現在の過去視では、視える時間によって幻影の色がやや違うのだが、それも微妙な違いでしかないので判断し難い。

 ヒヅキは多分1つは違う時間軸の幻影ではないかと思いながらも、それと他の4つを分けて目で追う。

 4つと思われる幻影は、固まって行動しているので非常に分かりにくい。なので、4つの幻影というのも実はヒヅキは少し自信がなかった。

 行動も何かを探しているような感じに視えるだけ。それも視界に映る全体に動き回っているので、捉えるのがとても面倒くさい。もう1つの幻影もそれに塗りつぶされている部分が多く、確認が難しい。

「………………」

 一通り確認したヒヅキはひとつ息を吐くと、諦めて目を瞑る。

 そうして視界を塞ぐと、過去視の制御を行う。しかし、現在は周辺警戒の方に重点を置いているので、制御に集中するのは難しい。

 日が大分傾いた時でも大した成果はなく、ヒヅキは過去視を切って周辺警戒に集中する。その後にエイン達に声を掛け、拠点に戻る事にした。

 エイン達の帰りの様子を見るに何か成果は在ったのだろうとヒヅキは考えるも、それだけで問う事はない。

 ちょっとした雑談をしながら戻り、拠点に辿り着いた時には日が暮れかけていた。

 フォルトゥナは防水布の上に腰掛け、静かに待っている。

 塊根を乾燥させていた道具はそのままだが、その上に並べられて乾燥させていた塊根は無くなっていたので、乾燥が済んで全て回収したのだろう。

 その道具を夜間仕舞っていた天幕は解体されて片づけられていたので、大方の片付けは終わっていた。

 ヒヅキ達は汚れを落として防水布の上に座ると、フォルトゥナと共に夕食を摂る。

 夕食は保存食と魔力水。欲しい者には木の実も配るが、食べるのはヒヅキとフォルトゥナのみ。それも数が少なくなっているので、一人1つずつではあるが。

 そうして夕食を終えると、明日の予定を話し合う。

 もうここでの用事はないので、明日は砦跡の先に進む事になるが、その前に片付けがある。

 天幕は1張りは片づけられているがもう1張りあるし、塊根を乾燥していた道具や竈の片付けもある。手早く済ませれば午前中には終わるだろうが、遅くとも昼過ぎまでには済ませたいところ。最悪出発が1日延びるかもしれないが、その時でも反対側の防壁まで進むぐらいはしたい。

 そうした話し合いが行われ、いつも通りに話し合いが終わればエイン達は天幕の中に入っていく。

 ヒヅキ達はそのまま周辺警戒を行いながら夜を過ごすが、ヒヅキは変わらずそちらはフォルトゥナに任せて、自分は過去視の制御を行っていく。

 最初の頃に比べれば進展はみられるも、細かな条件の指定が出来るほどではない。精々が消費魔力量が減少したぐらいで、まだまだ課題は多い。

 その日も多少の進展があったぐらいで、夜が明けてしまう。それでも対象の幻影は未だに視えているので、焦るほどではないが。

 翌朝も早くから起きてきたエイン達と朝食を済ませると、片付けを始める。まずは竈と乾燥に使った道具から片づけていく。

 片づけると言っても竈は崩すだけだし、乾燥に使った道具も解体するだけ。周囲には石が散乱しているし、家具だった物なども散乱しているので、そのまま放置していても問題はないだろう。

 次に大甕だが、これはそのままでもいいし、壊してもいい。中には水がそれなりに入っているので、捨てるのは手間がかかる。壊すのも面倒なので、大甕はそのままにしておくことにした。

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