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人探し35

 朝食を終えて片付けや準備を済ませると、それぞれがそれぞれの行動を開始する。

 フォルトゥナとプリスが保存食作りを始めた辺りで、ヒヅキとエインも探索をする為に移動していく。

 今回は砦跡の中央付近を目指して進んでいく。という話を、ヒヅキは出発前にエインに聞かされていた。そこは今まで探索した場所よりも遠いらしく、昼休憩を挿まずに進むが構わないかと相談されたのだ。

 それにヒヅキは問題ないと返した事で、他に探索を行わずに砦跡中央へと一直線に進んでいく。

 エインの話では、砦跡中央にはこの砦跡がまだ機能していた頃の司令塔が在るという。

 砦跡を見渡す限り、1階以上の高い建物は残っていないので、その司令塔とやらも瓦礫の山と化している事だろう。

 元は監視塔の付いた3階建てで結構な大きさの建物だったらしく、そこを探索するとなるとかなりの時間を要する事が容易に予想できる。なので、エインは一晩考えた結論をヒヅキに伝えていた。つまりは向こうで1泊して探索したいという事。

 それを昼食抜きで進む事と一緒に出発前に相談されたヒヅキは、それも構わないと受け入れたが、一応フォルトゥナとプリスにも相談する。それで探索先で1泊する事が決まった。

 天幕は持ってきた2張り共に使用中なので、探索先では野宿となる。エインはそれで構わないと言っていたが、それでも寝袋は持ってきているようだ。

 ヒヅキは寝ないので、そういった物は持ってきていない。なので、荷物になる寝袋はヒヅキが持っている。

 寝袋はエインでも持てる重さだが、天幕と同じで移動する速度を落としたくないという判断からヒヅキが持っていた。

 そうして砦跡内を進んでいき、昼が過ぎた辺りで目的の建物址が見えてくる。

 意外と近かったなと考えつつ、ヒヅキは建物址に目をやる。瓦礫の山や壁の残りが邪魔で全ては把握できないが、それでもかなりの広さなのは分かった。

 その広さを実際に確認して、ヒヅキは確かにここで泊まって調べなければ、しっかりと調べるなんて無理だろうと思うも、同時に1泊では少ないだろうと考える。しかしそんなに時間を掛けられないので、1泊が限界だろう。ヒヅキとしては、そろそろ先に進みたいところ。

 帰った頃には保存食作りも終わっているだろうが、探索はもう1ヵ所ある。

 到着して探索を始めたエインを眺めながら、ヒヅキも適当にその辺りを調べてみる事にした。

 その前に、まずは瓦礫の山の撤去からだろう。瓦礫が積もっていない場所も在るのだが、上階がそのまま潰れた感じも多い。スキアが瓦礫の山を吹き飛ばしたと思われる場所は、道が出来ている。

 エインも瓦礫をどかしながら探し物をしているので、思った以上に時間が掛かりそうだ。帰りの時間も考えると、明日も昼ぐらいまでが限度だろう。夜は光球を出して探した方がいいかもしれない。

 瓦礫の山を吹き飛ばしたい思いを抑えながら、ヒヅキは瓦礫を丁寧にどかしていく。雑にどかして瓦礫の山が崩れてしまうと、それはそれで面倒な事態になる。

 そうして瓦礫をどかしながら探索していくと、直ぐに夕方になる。周辺が薄暗くなるとヒヅキはともかくエインは探索が難しくなってくるので、ヒヅキは光球を現出させてからエインの近くへと光球を飛ばしておく。

 それで周辺を優しい光が照らすので、エインも暗くなってくる中で探索を続行出来る。

 その様子を横目で確認しながら、ヒヅキは何処かで火を熾した方がいいのだろうかと、下がってきた温度を肌で感じながら思う。

「………………」

 ヒヅキは寒さにも強いが、王宮で育ったエインはその限りではないかもしれないと考え、ヒヅキは探索を切り上げて見つけていた燃料を手に、火を熾せそうな場所を探す。

 程なくして近くに丁度いい場所を見つけたヒヅキは、燃料を置いてそれに火を点けた。

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