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人探し34

 目的が違えば異なるだろうが、ヒヅキにとって壊れた武具に価値はない。なので、周辺に散乱している武器や防具を拾っても、ヒヅキは軽く確認するだけで直ぐに元に戻す。

 エインは端から武具になど興味が無いようで、除けるだけで拾いもしない。

 そうして建物内を調べているエインとは反対に、ヒヅキはこの辺りにはめぼしいモノが何も無いと判断して、近くの石に腰掛けた。

 石に座って休みながら、過去視で周囲を視てみる。

 しかし、この辺りには誰も探しに来ていないようで、離れた場所に幻影は確認出来るが、休憩している近くには幻影は見当たらない。

 まだ時間もあるので、丁度いいとヒヅキは過去視の制御に集中する。近くに幻影が無いので、目を開けていても集中の邪魔になるようなモノは視界に映らない。

 エインの動向の監視と周辺警戒は怠れないので、拠点で休む時ほどの集中は出来ないが、場所が変われば気分も多少は変わってくるもの。

 環境の僅かな変化が何かの切っ掛けにならないだろうかと少し考えつつ、ヒヅキは過去視の制御に集中していく。

 そうして時間を過ごし、周囲がやや暗くなってきたところで切り上げる。

 結局エインは、あの装備の保管庫のような場所では何も見つけられなかったようで、帰りは少し残念そうにしていた。

 そんなエインの横を、帰り道でいくつか燃料を確保したヒヅキが歩く。

 拠点に戻ると、フォルトゥナとプリスが片付けをしているところであった。

 ヒヅキ達もそれを手伝う。

 エインはフォルトゥナと共に保存食を天幕内に入れていき、ヒヅキは燃料を所定の位置に持っていくと、プリスを手伝い竈の灰を掻き出したり、鍋を洗ったりする。

 一通り片付けが済むと、プリスが準備を済ませていた夕食を皆で食べていく。

 夕食を終えると、話し合いを行う。現状では保存食作りは順調に進んでおり、もう少しで保存食用にと分けた塊根は無くなるという事であった。あとは薄く切った塊根が全て乾燥するのを待つだけ。とはいえ、既に相当量の保存食が出来ているので、ここらでやめても何ら問題はないのだが。

 エインの方はと言えば、あと2ヵ所ほど行きたい場所が在るらしい。ただ、その2ヵ所は方向が違うので、あと少なくとも2日は必要そうであった。

 他は特に確認事項も無く、それで話し合いは終わる。話し合いを終えれば、各自いつも通りに行動していく。

 エイン達は大甕から水を桶に汲んでから天幕に入ったが、それはいつもの事。中で身体を拭いているのだろう。

 ヒヅキ達も、水瓶から出した水で布を濡らしてたまに身体を拭いている。街中でもないので風呂には入れないし、近くに川も無いのでしょうがない。もっとも、それでも十分なのだが。水瓶のおかげで水には困らないので、気にせず使うことが出来る。まぁ、寒い季節は水で拭くのも大変だが。

 少し考えたヒヅキは、自分もそろそろ身体を拭くかと手桶と布を用意すると、手桶に水を満たして布を浸す。

 隣にフォルトゥナが居るが、一緒に風呂にも入っていたので、それは今更だった。

 水に浸して固く絞った布で手早く身体を拭いていく。フォルトゥナの魔法のおかげで寒くはないが、のんびり行うモノでもないだろう。

 そうしてヒヅキが身体を拭いていると、フォルトゥナが背中を拭くのを申し出たので、ヒヅキはフォルトゥナに背中を拭いてもらった。

 ヒヅキが身体を拭き終わると、水と布を変えて今度はフォルトゥナが身体を拭く。

 その途中でプリスが水を棄てに外に出てくるも、直ぐに天幕の中に入っていった。

 先程の返礼という訳ではないが、ヒヅキもフォルトゥナの背中を拭くのを手伝う。そうして身体を拭き終えると、片付けを済ませてヒヅキは過去視の制御を行う。その隣で、いつも通りフォルトゥナは周辺警戒をする。

 そうして夜が更けると、空が明るくなってきたところでエイン達が起きてきた。

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