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人探し27

 話し合いを終えると、いつも通りに各自が行動に移る。

 ヒヅキも過去視の制御に集中していくと、その日も夜が更けていった。

 翌朝も朝食を済ませると、片付けや準備を済ませて各自が行動に移っていく。

 プリスは変わらず保存食作り。ヒヅキは大甕に魔力水を溜めていく。これはあくまでも調理用や生活用水なので、飲み水は変わらず水瓶からだが、各自魔力水を入れた水筒を持っているので、そこまで煩わしいものではない。

 フォルトゥナとエインは竈作りを行っていく。これもただ石を組んだだけの簡易的なモノであるし、そこまで数が必要な訳ではないので、今日中に終わるだろう。

 それぞれが作業を行い、昼になる。休憩がてら昼食を摂り、また作業を再開していく。

 昼休憩の少し前に大甕に水を溜め終えたヒヅキは、木ぶたと柄の長い柄杓を大甕の上に置いて、昼休憩後は燃料集めを始めた。

 プリスは保存食作りを昼過ぎに中断すると、薄く切った塊根を干すための道具を増設する為の材料を探しに、ヒヅキと共に一緒に周囲の探索を行う。

 ここの砦は山岳地帯に築かれていて周囲は石ばかりの場所だが、砦内には物資が十分量供給されていたようで、探せば大抵の物は見つけられる。

 それに元々結構な数の兵士達が暮らしていたので、壊されてそれなりに経とうとも、四人程度を賄うには十分過ぎる量が手に入った。

 天幕を張っている場所とを何度か往復してヒヅキとプリスは燃料や材料を集めると、夕方前には塊根を干す為の道具の材料が揃う。

 燃料の方もそこそこ集まったので、このまま使い続けても心配はないだろう。まだまだ燃料になりそうな物は周辺に在る。

 ヒヅキ達が戻ると、フォルトゥナとエインが作っていた竈も完成しており、全部で5つの竈が出来ていた。

 簡易的なモノで大きな竈ではないとはいえ、5つも出来ていると意外と壮観なものだ。

 もう大分日も傾いているので、プリスは早速夕食作りに取り掛かる。ヒヅキは持ってきた燃料を所定の位置に運んでいく。

 手隙のフォルトゥナとエインは、集めた道具で塊根を干す為の道具を作っていた。

 ヒヅキも燃料を運び終えると、その道具作りに参加する。プリスが夕食の準備を終えた頃には、持ってきた材料で作れるだけの道具が完成していて、乾燥していた塊根の回収と、残りを天幕内に移すのも終わっていた。

 そのまま夕食をそれぞれに行き渡らせて、夕食を摂る。

 少しして夕食を終えると、話し合いを行う。

 今日の結果は皆知っているが、それでも一応報告し合い、明日の予定を話す。

 明日からは、ヒヅキとエインが砦内の探索。これは日帰りだが、保存食を持参して終日行う予定だ。

 プリスは保存食作りで、フォルトゥナは燃料の確保とプリスの手伝い。

 それを決めると、話し合いは終わる。話し合い後は、各自いつも通りに行動していく。

 そうして夜が明けると、朝食を済ませて片付けや準備を行い、各自昨夜決めた通りに行動を起こす。

 ヒヅキはエインと共に保存食を持って砦内を移動していく。今まで燃料やらを集めるのに探した範囲の外へと向かう。

 規則正しく並ぶ建物址と、そこを通る道。幾つか大きさの異なる建物は在るも、全体的に建物は同じ大きさのようだ。内部の造りも似通っていて、探し物をするには楽であった。どの建物も壁が無くなっているので、見通しがいい。

「……改めて見ても、酷いものだな」

 周辺を見渡したエインが、悲しげに呟く。

 それにエインの方を一瞥しただけで、ヒヅキは何も応えない。エインも何かしらの反応が欲しい訳ではないのでそれでいいのだろう。

 ヒヅキはエインが何を探して、もしくは何を思って砦内を探索したいと提言したのかは知らないし興味もないが、ヒヅキはエインの示す通りに進み、エインが何かをしている傍らで、使えるものがないかと探索する。

 そうして昼頃まで探索すると、ヒヅキ達は適当な石に腰掛けて昼食を摂った。

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