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再会103

(まずは魔力水がこんこんと湧き出している水瓶についてか。あれはウィンディーネが創ったのだと思うが、詳しくは知らないからな。そもそも今思えば、あの祭壇のような遺跡に在った像は全てウィンディーネを模ったモノなのではないだろうか? 数はあったが、グノムとの会話から察するに、姿形は自在に変化出来るようだし)

 そこまで考えて、そう思えばあの遺跡でウィンディーネが何処か様子がおかしかったのも、その辺りが理由だろうと思い至る。

(まぁ、あれでも水を司っているらしいから祀られるのは分かるが、何か恩恵を与えていたのだろうか?)

 ヒヅキはその事について少し考え、嫌な顔をしそうになり、小さく首を振った。

 とりあえずその事は横に措き、フォルトゥナ達を眺めながら、引き続き何について訊くべきかと考えていく。

 魔力水そのものについて訊いてもいいだろうが、水瓶がどんな魔法道具なのか改めて訊く必要があるかもしれない。そもそもヒヅキは魔力水というものをよく知らないので、何を質問すればいいのか困ってしまう。

(魔力水自体フォルトゥナに教えてもらったばかりだからな。今は魔力を回復するモノという認識でしかないが、それが本当に正しいのかどうか……)

 魔法の講義を受けながら、魔力水を飲んで魔力を回復しているアイリスを眺めながらそう思う。とはいえ、ヒヅキは魔力が回復したのは分かっても、どれぐらいの量が回復しているのかまでは正確には分からない。そこは魔力が視えているフォルトゥナ頼み。

 2杯目の魔力水を飲み干したアイリスの容器に魔力水を注ぎ、ヒヅキは少し離れて眺める。

 ヒヅキは自分でも魔力水を飲んではいるも、魔力を大量に使ってから飲んでいる訳ではないので、魔力回復を実感した事はない。

 何か身体に異変もないので、本当に魔力が満杯の状態で飲んでも問題はないのだろう。もしかしたら、飲み続けている影響で魔力量が増大しているかもしれない。

 もしもそうであればいいんだがと思いながらも、ヒヅキは魔力水を飲む。

 そうして時間を過ぎると、侍女が昼食に呼びに来た。

 それから食堂に移動して昼食を食べ終えると、部屋に戻ってきて魔法の講義を再開する。魔力水を飲むからか、アイリスは今日の昼食は控えめだった。

 1度に口にする魔力水の量は少ないとはいえ、魔法の講義を行いながら頻繁に飲んでいるので、結果的に結構な量になる。

 アイリスは元々大食いという訳ではないので、魔力水を飲むのも大変なのだろう。密かに夕食も量を減らすように侍女に頼んでいたのを、ヒヅキはたまたま耳にしていた。

 それでもアイリスは弱音を吐かずにフォルトゥナの指導についてきているので、余程魔法を修得したいのだろう。

 ヒヅキは講義の様子を眺めながら、それにしてもという思いが浮かぶ。

(アイリスさんは本当に魔法的な才能が在るんだな)

 いくら集中的に直接指導を受けているとはいえ、めきめき腕を上げていくアイリスの様子に、ヒヅキは昔の自分を思い出す。

 記憶に僅かに残っている昔の自分は、魔力の扱いがあまり上手くはなかった。周囲に師となる人物が居なかった為に我流ではあったが、それでも幾度危うく魔力を制御しきれずに暴発させかけたか考えたくもなかった。

 その頃のヒヅキと比べてみても、既に魔力操作が出来ているアイリスは、やはり魔力的な才能があるのだろう。惜しむらくは、内包魔力量が少ない事か。

 もしもアイリスの内包魔力量が一般的な冒険者ぐらいは在ったのであれば、かなり名が売れていたかもしれないほどに。

(もしかしたら、スキアと1対1であれば倒せるぐらいの魔法使いになっていたかもしれないな)

 その才に思わずそう考えてしまうも、無いものはしょうがない。なにせ、魔力の保有量は成長してもほとんど変化しないのだから。

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