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再会40

「貴方の適性が判った」

「適性、ですか?」

 フォルトゥナの言葉に、アイリスはどういう意味かと首を傾げる。

「簡単に言えば得意な属性。それが判れば、どの魔法を修得出来るのかのおおよその目安になる」

「まあ! そうなんですね! それで、私の適性は何だったのでしょうか?」

 緊張した面持ちで問い掛けたアイリスに、フォルトゥナは変わらぬ調子で答える。

「貴方の適性は水。若干土にも適性が在るも、こちらは気にしなくてもいい」

「水、ですか? 水の魔法にはどんな魔法が在るのでしょうか?」

「どんなと言われても、水の属性の魔法だけでも数が多い。しかし、貴方には簡単な魔法しか使えないから、そんなに数を覚える必要は無い」

 そう前置くと、フォルトゥナは指を1つ立てて説明を始めた。

「まずは水属性というだけあり、水の創造。これには2種類あるも、貴方の場合は周囲の水気を集めて水を創る事だけ覚えればいい。創れる量も、良くてこぶし大程度だろうから」

「は、はい! 頑張ります!」

 フォルトゥナの説明に、アイリスは両の手でこぶしを握り、気合いを入れる。

 そんなアイリスなどお構いなしに、フォルトゥナ2本目の指を立てて話を続ける。

「次は癒し。水属性は癒しも行える。といっても身体の回復機能の促進だが、貴方の場合は、回復に1日掛かる怪我がほぼ1日掛けて治るようになるだけだから、気休めでしかない。ないよりマシと思って、期待はしないように」

「は、はい!」

 説明を終えると、フォルトゥナはそのまま3本目の指を立たせた。

「最後に解毒。これは癒しに近いけれど、怪我ではなく病に対して効果がある。しかし、貴方の力では本当に軽微の病にしか効果がないから、こちらも気休め程度だと忘れないように」

「解りました!」

「だが、事前に水や食物の毒抜きとしてならある程度は効果がある。だた、これも強い毒には効果がない」

 そこまで説明を終えると、フォルトゥナは少し考えるような間を置く。

「貴方の魔力で行使可能な魔法で、比較的使えそうな魔法はこの3つ。他にも攻撃や防御の魔法なんかも在るけれど、そんな貧弱な魔力では全く意味が無いから除外した」

「はい! ありがとうございます!」

 自分でもそれは承知しているのか、アイリスは素直に感謝の言葉を口にした。

「では、まずは基本の水の構築から教えていく」

 時間もそこまでないが、少しは教えておく事にしたようで、フォルトゥナは早速基本の魔法の講義を始める。

 魔法の講義と言っても、最初は魔力の使い方でしかないが、そこまで覚えれば魔法は使えずとも魔法道具の使用が出来るようになるだろう。

 しかしあまり時間もなかったので、魔力の使い方を教え始めて直ぐに講義終了の鐘ならぬ、昼食を告げる扉を叩く音が室内に響く。

 それで講義を終えると、ヒヅキ達三人は呼びに来た侍女の案内で食堂に向かう。

 食堂に到着したが、シロッカスは仕事で出ているらしく、食堂には居なかった。

 それぞれ侍女が案内した席に座り、昼食を済ませる。

 昼食を食べながらも、アイリスは合間合間にフォルトゥナに魔力の使い方や魔法に関して質問していた。

 そんな賑やかな昼食を終えると、ヒヅキはフォルトゥナと共に外に出る。

『今日は街中をぶらつく』

 二人っきりになったところで、ヒヅキは早速フォルトゥナに遠話で話し掛ける。

『畏まりました』

 それに驚きもせず、フォルトゥナはいつも通りに言葉を返してきた。

『今日は遠話の練習も兼ねて、基本的に遠話で話をしようと思っている』

『はい! たくさんヒヅキ様のお声をお聞かせください!』

 ヒヅキの説明に、フォルトゥナはかなり嬉しそうに言葉を返してくる。それにヒヅキは苦笑するも、迷惑でないのであればいいかと開き直る事にした。

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