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 晴れの日が続いた旅路も、ソヴァルシオンへの到着予定日である6日目にとうとう記録を途切れさせる。

 最終日は雨であった。

 といっても、どしゃ降りではなく小雨ではあったが。

 ヒヅキは街道を北へと歩みながらも、先ほどからしとしとと天より落ちはじめた雨粒を顔面で受け止めながら上空を見上げる。

「雨、か………ん~、なるほど」

 厚いというほどではないが、太陽を隠すには十分な雨雲を確認したヒヅキは、その身に感じる不快感の強さの変化にひとつの答えを得る。

「建物の中よりは酷いけど、無いよりはマシってところか………」

 期待はずれの結果に多少の落胆はありはしたが、それでもその僅かな差で気を配らなくてもいい程度には不快感が軽くなったことに、満足した頷きをする。

 現在の時刻は昼が過ぎる少し前、雨雲によって太陽光が遮られてるため、辺りは晴れていた昨日までほどの明るさはなかった。

「到着予定は日が沈む前でしたっけ?」

 ヒヅキは近くを歩むガザンに確認の問いを向ける。

「ええ、予定通りに着けばそれぐらいですね。ただ、雨が降ってますから、日がある内に着くかどうかは分かりませんが」

 そう言うと、ガザンは視線を空に、より詳しく言えば雨雲より落ちてくる雨粒に向ける。

「そうですか、お答え頂きありがとうございます」

 ヒヅキはガザンの視線の先をチラリと確認すると、ガザンに軽く頭を下げた。

 その後、雨足が強くなったというようなことはなく、しとしとと降り続ける雨に身体を濡らしながらも歩みを止めず進んだ結果、日が沈みきる直前には目的地のソヴァルシオンに到着したのだった。


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