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ガーデン防衛41

(ええ、スキアに何度か滅ばされたぐらいですが)

『それだけ知っていれば問題ない』

 ヒヅキの返答にそう言葉を返すと、謎の声は話を続ける。

『それで君が知りたがっているスキアについてだが、スキアとはその滅ぼされた世界の生物たちの成れの果てだよ』

(は!?)

 謎の声の話に、ヒヅキは思わずそう声を出した。

(それじゃ、あのスキア達は元々は人間だったと?)

『中にはね。他にも動植物だって含まれるし、人間以外の種族も勿論含まれているよ。色々混ざっているのが多いが、面影を残してるスキアもそれなりに居るだろ?』

(…………)

『この世界もこのままスキアに滅ぼされると、めでたく君達もスキアの仲間入りだよ』

 あまりにも突飛な話に、ヒヅキは一瞬思考が止まる。

(……いや、少し待ってください。それでは最初の世界は何故滅んだのですか!?)

『……うん。直ぐそこに思い至るとは流石だね。でも、答える内容は一つだけだと最初に言ったはずだよ?』

(それは、そうですが……スキアの誕生は、スキアについての範疇に入ると思うのですが)

『そうとも言えるし、そうとも言えないね。だがまぁいい、君の疑問に答えよう』

 謎の声はどことなく楽しそうにしながら話し始めた。

『世界は初め三柱の神によって創造された。最初の世界は安定し平和な世界であった。生き物は繁栄し、神々に祝福された豊かで平穏な実に理想的な世界。しかし、それを退屈だと感じた一柱の神がその世界を滅ぼし、スキアを創造し、世界を創り直した。……それが最初のスキアが誕生した話だよ』

(……それを……いえ、なんでもないです)

 謎の声は何故それを知っているのか。そう問おうとして、ヒヅキは口を閉ざした。

『うん。これ以上私は何も答えないよ。そしてまたね。これ以上無茶はしないでくれよ……ああ、念の為に回復魔法を教えといてあげるよ』

 それだけ言うと、謎の声は何も語り掛けなくなった。それとともに、ヒヅキは新しい魔法を理解する。

(回復魔法か。ま、あれば助かるな。それにしても、謎が一つ解けたかと思えばそれ以上の謎が幾つも生まれたな……さて、これからどうしようか)

 ヒヅキは上体を起こそうと身体に力を入れるも、身体が地面に張り付いているのではないかと思いたくなるほどに動かない。魔力だけではなく肉体的にも限界がきていたのだろう。

(少し休憩していれば回復するだろう)

 動かないものはしょうがないと、ヒヅキは仰向けのまま地面に横になっておく事にする。

 寒い空気の中、ヒヅキは独り夜空を眺める。

(朝には帰路に着きたいものだ)

 シロッカスには遅くなることを伝えているからいいとしても、いくら人通りが少ないとはいえ、いつまでも街中で寝転がっている訳には行かないだろう。

(服もまたズタボロで、今度はたっぷりと土の汚れ付きか。傷は回復魔法でなんとか……それだけの魔力が短時間で回復するかな)

 先が思い遣られたヒヅキは、諦めた様に息を吐きだした。

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