表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
198/1509

ガーデン防衛

 魔砲の練習を終えた翌日。

 ヒヅキは早朝に目を覚ますと、朝食をいつもより早めにもらってから、書簡に書いてあった集合場所へと移動する。

 集合場所にはヒヅキ以外にも沢山の冒険者が集まっていた。

「あら、やはりヒヅキさんもいらっしゃっいましたのね」

 到着したばかりのヒヅキは、聞き覚えのあるその声に顔を向ける。

「おはようございます。サファイアさんも招かれたので?」

「はい。ガーデンに居る冒険者の大半が招待されたと思いますわよ」

 サファイアは周囲の冒険者たちへと顔を向ける。

「まだ増えるようですね」

 ヒヅキはサファイアが目を向けた先に目を向けると、反対側まで確認するように視線を滑らせる。そこからも冒険者が次々と集まってきている。

「それだけスキアが近づいてきているという事ですわね」

 サファイアは普段よりも鋭い目をガーデンの外へと向ける。

「スキアの目的は何なんでしょうね」

「目的、ですか?」

 ヒヅキはそれについても探していた為に、ついサファイアにそんな事を問うてしまっていた。

「ええ。現在スキアは集団行動をしているようなので、何かしらの目的があって行動しているのではないかと思いまして」

「なるほど。そう言われましたらそうかもしれませんわね」

 ヒヅキの話に、サファイアも黙考する。そんなところに新たな声が掛けられる。

「おぉー! ヒヅッキーだー! また一緒だなー!」

 横から掛けられたその声に目を向ければ、そこには幼い少女の様な風体の冒険者の姿があった。

「おはようございます。シラユリさん。また一緒ですね」

 周囲の冒険者を器用に避けながら駆け寄ってきたシラユリに、ヒヅキは挨拶をする。

 シラユリは、サファイアが見えていないかのように無視してヒヅキを見上げる。

「頼りになる仲間が居るのは嬉しいものだなー」

 嬉しそうに笑うシラユリは、見た目通りに幼子の様に見えた。

「シラユリちゃん。私を無視しないでくれない?」

「おっぱいが喋るとは、この世も不思議がいっぱいだなー」

 そう言うと、シラユリは「なぁ、ヒヅッキー?」 と問い掛ける。それにヒヅキは困ったような笑みを浮かべる。

「もぅ! シラユリちゃんは相変わらずね!」

 サファイアはそれに僅かに頬を膨らませて抗議した。

「仕方ないだろうー。どう見てもその腫れた胸元が邪魔なせいだろうー」

 近くに居るサファイアを見上げたシラユリは、視界の大部分を埋めるその物体に、つまらないものでも見るような目を向ける。

「まぁそんな事より、これからよろしくなー。ヒヅッキー」

 しかし直ぐに視線をずらしてヒヅキを見上げると、シラユリは可愛らしく微笑んで手を差し出す。それにヒヅキは「こちらこそよろしくお願いします」 と笑ってその手を掴んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ