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神域への道147

 防水布を敷いて腰掛けたヒヅキ達は、魔力水でのどを潤した後、保存食を食べながら避難所の事について確認するように話し合う。

 それが終わると、横道の先に何があるのかという話に入る。フォルトゥナの感知魔法でも終わりはまだ分からないらしい。

『そんなに長いのか』

『いえ。長さもですが、ここは感知が非常にし難いのです』

『ああ、そうだね。ただ道が続いているだけのはずなのに、通った道さえ存在しているのかどうか分からなくなりそうだからね』

 ヒヅキはフォルトゥナの言葉に同意する。

 井戸の底の時も感知魔法では分かりにくかったが、横道内に関してはそれ以上だった。ヒヅキの感知魔法では足下を調べるのでいっぱいいっぱいなほど。

 それでもフォルトゥナなら分かるかもしれないと思ったが、現状はヒヅキと大差ないらしい。一応数メートル先ぐらいまでは分かるらしいので、ヒヅキよりは視えているようだが。

『それにしても、ここは何の為に造られたのだろうか? 脱出口、な訳ないだろうし』

 そもそも実体はどうあれ、井戸の傍に在った建物が避難所なのだ。そこから何処かに脱出するというのはあまり考えられない。逆にここから避難所にやって来るという可能性の方が高いだろう。

 しかし、井戸の途中には分からないようになっているとはいえ、スキアの隠れ家と思われる倉庫が存在するので、この場所を今代の神が用意したのだと仮定しても、流石にそんな危険は冒さないだろう。バレたら避難所に人が集まらないのだから。

『おそらくですが、この横道に関しては井戸が出来た後に造られた場所ではないかと』

『それは井戸が枯れたからという事?』

『はい。井戸を下りる途中に水が溜まっていた跡が壁に在ったので、元々ここはちゃんとした井戸だったのではないかと』

『ふむ。もしそうなら、井戸は随分と長い間存在しているという事になるね。避難所が一緒に造られたのだとしたら、そっちもだけれども』

 井戸が乾いていたというのもだし、この横道も結構乾いている。それか、魔法か何かでも使用したのかもしれない。それはそれで何故かと考えてしまうが。

『しかし、何故横道を造ったのかまでは不明です』

『まぁ、そこは先に行けば分かるかもしれないからいいか。もしかしたら、ここは本来の世界には存在していない場所という可能性もあるし』

 あまりにも出来が良すぎていて忘れがちだが、ここはあくまでも何者かが模倣した世界でしかない。

 模倣したといっても、元の世界を知らないヒヅキ達ではどこまでが同じかなど分かるはずもない。もしかしたら模倣ですらないかもしれないが、そこまで考えても仕方がないので横に措く。

 それはそれとして、今まで通ってきた道を思い出せば、完全な模倣ばかりではなく、そこには何かしら付け足したと思われるモノが見受けられた。他の世界のモノだったり、模倣した者が意図的に付け足したモノだったり。

(だからこそ、意図的に消したモノもあるのだろうが)

 そういった事があっただけに、現在居る横道は本来の世界では存在していなかったという可能性も十分にある。

 もしも本当にそうだとしたら、その先には報せたい何かがあるか、この横道が先へと進む道かという事になる。もしそうならばどちらにせよ、ここを通らないという選択は存在しないだろう。

『何にせよ行けば分かるか』

 結局そういう事になるので、休憩を終えたヒヅキ達は片付けを終えると先へと進むことにした。

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