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神域への道131

 地下を調べ終えたヒヅキ達は1階に戻る。外から転移してきたこの階層は、最初に調べた限り大したものはなかった。

『そういえば、ここから戻れるのだろうか?』

 ふと思い至ったヒヅキは、フォルトゥナにそう問い掛ける。この場所に来た際に使用した転移魔法陣はおそらく一方通行の転移魔法陣だったので、それを使って戻る事は出来ないだろう。

『研究員達を監禁していた訳ではないでしょうから、何処かに外に出る方法はあるかと』

『だよね。という事は見落としたのかな?』

 フォルトゥナの言葉に頷いたヒヅキだったが、とりあえず来た時に使用した転移魔法陣が在った場所を調べてみる事にした。

 資料室もしくは搬入の記録保管室と思われる部屋のすぐ近く。飾り気の一切ないその部屋に到着したところで、ヒヅキ達はそこを調べていく。

 しかし、相変わらず何も無い部屋で、転移魔法陣でここに転移してこなければ、ここはただの空き部屋もしくは倉庫としか思わなかっただろう。

 調べ終えて部屋から出たヒヅキ達は、再び1階を調べていく事にした。

『それにしても、ここは普通だよね』

 地下には奇妙な部屋があるとはいえ、それを除けばそこまでおかしな施設ではない。1階に限って言えば、見学をさせられそうなほど。

 調べてみても隠し部屋のような場所は見当たらないので、本当に普通の研究施設に見えてくる。

(それでも、ここが人造神の研究施設なのは間違いないはず)

 だから何かあるという訳ではないが、何かあってもおかしくはないとも言えた。

 そうして1階を1周したところで、ヒヅキは首を捻る。

『帰りは下の方なのだろうか? でも、ここにも物資は供給されていただろうから、それを運ぶ人員も居たと思うのだが……そんな人員まで下の階に通すものかな?』

 それを考えれば、転移魔法陣が在った場所近くに帰りの転移魔法陣が在る方が効率的だろう。物資を持ってくる人員が部外者とは限らないが、あまり研究とは関係ない人員を好きに歩かせるものではないだろう。

『まぁそれとは別に、研究した成果を外に運ぶ道が下には在るかもしれないけれど』

 表には出せない成果、もしくは運ぶのが大変な成果を運び出す事を考えれば、研究する場所の近くに外へと出る方法が在ると考えた方が自然だろう。

 という事は、1階と地下で最低2ヵ所は外に出る場所が在ってもおかしくはない。

(しかし見つからないという事は、ここを再現した際に消したという事か? つまり俺達は閉じ込められた可能性も?)

 そこまで考えたところで、ヒヅキは小さく首を横に振る。

(俺達を閉じ込める意味はないか)

 これが主力である女性やクロスであるならまだ考えられるが、ここを管理しているのが今代の神だか人造神だか知らないが、ヒヅキとフォルトゥナを閉じ込めておく意味が分からなかった。

 それに、わざわざここまで導いたようなものなので、何かを報せたいという可能性だってある。

 もっともそうなると、まだ何かを見つけていないから出られないという可能性が出てくるのだが。

 その辺りをフォルトゥナに話すと、まずはもう1周1階を調べてみる。

 部屋の中だけではなく廊下も調べながら、丁寧に時間を掛けて探索していくと、転移魔法陣でやってきた部屋の近くに在る資料室からほど近い廊下の壁に妙な空間が在るのを発見したのだった。

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