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神域への道123

 資料室を調べ終わったヒヅキ達は廊下に出る。そのまま隣の部屋に移動すると、そこは縦長の狭い部屋であった。

 片側には腰の高さほどの台が壁に備え付けられ、その上には見た事もない器具が置かれている。いや、ヒヅキは昔似たような感じの物を見た覚えがあるような気がしたが、思い出そうとしても思い出せなかった。

 他には何かを置く台のような変わった器具もあったが、そちらも知っているような知らないようなといった感じで、ヒヅキは自覚しているとはいえ、自身の記憶力の無さにはほとほと呆れてしまった。しょうがない部分もあるのだが。

 そういった器具以外には壁から銀色の管が伸びているぐらいか。

 後は台の上の方に棚が取り付けられている。取り付けられている高さはヒヅキの背丈よりも高いので、扉は開けられても中は覗けない。

『何処かに踏み台はないだろうか?』

 ここを使用していたのであれば、何処かにそういった物が在ってもおかしくはない。もしくはここを使用していた者達は身長が2メートルぐらいあったとでもいうのだろうか。

 そんな事を考えながらヒヅキが周囲を見回すと、壁の一部に目立たないように扉が取り付けられているのを発見した。その扉を開けると、中から踏み台が出てくる。

 その踏み台を使用して棚の中を覗いてみると、棚の中には透明な水飲み用の容器や小皿が置かれていた。どれも大して埃を被っていないので、この場所が放棄されたのかどうかは不明だが、それほど放置されていない時期のこの場所を再現したのだろう事が窺えた。

(という事は、何か研究成果が何処かに残っているかもしれないな)

 そう思ったヒヅキは、部屋を調べた後に廊下を移動していく。

 建物は大きいようだが、それでも無限に続くあの建物ほどではない。広さで言えば、今までのヒヅキの経験的に考えて、豪邸以上王城未満といったところか。

 内装は無味乾燥としていて、質実剛健というか、実用性だけを追求したような場所だった。

(まさしく研究所といった感じだな)

 あくまでヒヅキの思い描く研究所ではあるが、探索していくにつれ、ひたすらに研究だけをしていた場所といった感じがした。もっとも、それも階段を下りる前まではだったが。

 窓が無いので現在地が地下なのかどうかは分からないが、広い内部を調べ終えた後、見つけた階段を使って階下に移動する。

 そこは見た目は上の階と同じで飾り気の無い場所であったが、造りや雰囲気を考えると、ふとこう思った。

(ここは牢獄か?)

 別に檻がある訳ではないが、真っすぐな道と左右に1面だけが透明な壁で区切られた部屋。中には外からは見えない普通の部屋も在るが、大体がそんな感じ。

 とはいえ、見ていくと透明な壁で区切られた部屋の中は奇麗なもので、机や椅子など必要最低限の家具が置かれている部屋や、寝具や棚が置かれているだけの部屋など住まいの見本のような部屋ばかりで、生活感はあまり感じられなかった。

 ヒヅキはそれらを見ながら、何がしたかったのだろうかと首を傾げる。ここは住まいの見本みたいな場所なので、家を建てる際の参考にでもしていたのだろうかと、そんな妄想が頭に浮かんできてしまった。

 そうして部屋を眺めながら先に進むと、更に階下へと続く階段を見つける。その前に今居る階層を調べようと考え、ヒヅキは見つけた階段から離れた。

 それからしばらく階層内を歩き回って調べていったが、部屋内観の見世物のような部屋ばかりで、この場所が在った世界の生活について少し分かった程度で他に収穫はなかった。

 ヒヅキ達は階層を調べ終わると、途中で見つけた階段で更に下へと向かう。

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