表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1457/1509

神域への道120

 森の周囲に広がる岩石地帯を調べたヒヅキ達は、1度休憩を挿んだ後に森を調べる事にした。

『ここの森自体はそれほど広くはないようだから、直ぐに調べ終わるだろうけれど……』

『はい。ですが、ご報告したように森の中で妙な気配がしていますので、何か在るのは確実ではないかと』

『だよね。その妙な気配って、結局何だったのか分かったの?』

 岩石地帯を調べている時にフォルトゥナから受けた報告を思い出したヒヅキは、休憩中も森を調べていたであろうフォルトゥナに確認する。

『おそらくですが、何かを隠蔽しているのではないかと』

『隠蔽ね。それは女性が感知を掻い潜る際に使用している何かと同じなのだろうか?』

『いえ、あちらは何も感知出来ないどころか違和感すらないので、この森の方とは別物か、もしくは森の方の隠蔽している何かを洗練させたのではないかと』

『なるほど。それでも今後の参考にはなるか』

『はい』

『まぁそれはそれとして、こんな場所で隠蔽までしているとなると研究施設かな?』

『可能性はあるかと』

『それも行けば分かるか』

 という訳で、話し合いを終えてヒヅキは森の中に入る。森の木の密度はそこまで高くはなかったが、それでも念の為にヒヅキは光球の数を減らして木にぶつけないように操作に集中する事にした。

 フォルトゥナに先導されながらヒヅキがしばらく森の中を歩いていると、森の中心近くでフォルトゥナが足を止める。

『もうすぐ隠蔽されている何かです』

 その言葉にヒヅキは頷くと、問題ないとは思いながらも、光球の数をひとつにして膝ぐらいの高さまで高度を下げて、足下が見える程度まで光量を落とす。

 それから慎重に進んだところで、何かが隠蔽されている場所に到着する。しかし、見た目には特に変わったところは確認出来ない。

『ふむ。流石にここまで近づくと何となく分かるな』

 肉眼では木しかない暗い森なのだが、それでも感知魔法と感覚を集中させると、ヒヅキでも少し先に何か歪みのような違和感を感じる事が出来た。

 とはいえ、何か在るような気がする程度で危ない感じはなかったので、ヒヅキ達はそこに近づいてみる。するとそこには、壁とはまた違った何かが在った。陽炎のような何かとでも言えばいいのか、それは建物で見た映像の投射に似ている気がした。

 調べてみても特に害はなさそうだったが、少し距離を取ってから光球を先行させてみる。

 直ぐに爆発するような光球が何事もなく向こう側へと通過して戻ってきたので、問題はなさそうだと判断したヒヅキ達は、隠蔽している何かの先へと進んでみた。

『んー、森だね』

 進んだ先には、変わらず森が続いている。周囲を見回しても、何かを通る前と変わらない森であった。だが。

『はい。ですが、あの木だけ他とは違うようです』

 そう言ってフォルトゥナが指さしたのは、数歩先に生えている1本の木。見た目は他の木と変わらないが、そこでヒヅキはやっとその木が隠蔽の中心となっている事に気がつく。

『この隠蔽の中心という事は、あれがこれを発動しているのか。という事は、あの木かその周辺に何か在るのだろうか?』

 そんな事を思いつつ、ヒヅキはフォルトゥナと共にその木に近づく。

 近くで見ても他の木と違うところはなさそうな気がしたが、フォルトゥナがその木に触れると、ヒヅキ達の足下に何かが薄っすらと浮かび上がった。

『これは……転移魔法陣かな?』

 森の中なので木々が邪魔して読み取り辛かったが、それでも何とかそれが転移魔法陣なのだろうとヒヅキは理解した。浮かび上がったのが、分かりやすい初歩的な転移魔法陣であったおかげだろう。

 それはそれとして、後はその転移魔法陣が何処に繋がっているかだが、転移してみなければヒヅキではそこまでは分からなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ