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神域への道116

 フォルトゥナの推測は、ヒヅキの地下に移ったというものと同じだった。それに今までの推測を合わせると、やはり現在居る場所の何処かの地下に研究施設が在るだろうという推論になる。

 しかし、候補の場所は広大。森の中だけでも結構広いうえに、広い荒野まで在る。流石に海の中には無いと思うが、今進んでいる森の先にも何か在るのだろう。

 そんな場所から、在るかもしれないというだけの地下施設を探すというのは、聞くだけで大変なのが分かる。建物でも建っていればいいが、今のところそういった物は確認出来ていない。

 ヒヅキ達が確認している崩れた建物や集落、荒野に建つ家に関しては、地下が無いのは調べた時に確認済み。

 では石碑のような別の目印はと考えるも、荒野は何処までも見渡せるような場所であったし、海にも特に何か在ったという記憶はない。森の方は木々が邪魔で遠くまで視界は通らないので、可能性は一応あるが。

(……あちらの海は調べたが確認出来なかった。荒野はおそらく何かの攻撃痕だと思うので、在っても道がむき出しかもしれないな。森の方は面倒だが、森が同じ木なのを考えれば森の中で実験していた方が実験しやすいか?)

 そう思うも、日誌にはそれ以上のものは書かれていないし、探索もまだまだ半ば。とりあえず森を抜ける事を優先させるかと考えたヒヅキは、片付けを済ませて移動を再開させる。

(それにしても、あの日記に詳細が無いのはわざとなのか、たまたまなのか)

 日記のような内容の日誌を思い出し、ヒヅキは少し思案する。何をしてどうなった、みたいな事は書かれていても、何処でという部分だけが抜けているような気がしたから。

 天気が抜けた周辺だけではなく、日誌全体を改めて確認してみたものの、研究所という単語をたまに見掛けるぐらいで場所についての言及は少なかった。

 日誌には紙が破かれたような跡も無かったので抜けはないのだろうが、考えてみればヒヅキが持っている日誌は複製品。もしかしたらその際に何かしら手が加えられているという可能性も考えられるだろう。

 これ以上は何か発見があるとも思えなかったので、ヒヅキはその事を頭の隅に追いやる。周囲に気を配るも、木々は鬱蒼としているばかり。

 そうして進んでいくと、フォルトゥナが森の終わりを感知する。フォルトゥナの話によると、森の終わりはまだまだ先らしいが、途中に集落のようなモノは感知出来なかったらしい。

 森の先に関しては、結構な深さの崖という事らしかった。その崖を挟んで反対側にも森が広がっているらしいが、橋やそれに類するモノは確認出来ていないとか。

 とりあえずその崖を目指す事にしたが、フォルトゥナの話を聞く限り、その崖もその先の森でもまだ壁に行き当たっていないらしい。つまりはまだ先が在るという事。

 しかし、研究施設と考えると、崖を越えた先というのは可能性は低くなる。もっとも、それも崖の先に続く森次第かもしれないが。

 その辺りはまだ距離が在るので、フォルトゥナの感知でも何とも言えないらしい。もう少し距離が縮めば感知の精度も上がるので、そうなれば分かるだろう。

 フォルトゥナから話を聞いた後も黙々と森の中を進んでいく。ヒヅキは精度重視で周辺を探りながら地下への入り口を探しているが、発見には至っていない。

 そうしてようやく森を抜けると、直ぐ目の前に深い崖が広がっていた。

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