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神域への道115

 考えながらしばらく森の中を進んだヒヅキは、そろそろ休憩しようかと思い、フォルトゥナにそれを提案する。

 フォルトゥナがそれを了承したところで足下に生えている草を払い、軽く石をどかしてある程度平らにする。

 そうした後に防水布を敷くと、そこに腰掛けて休憩に入った。

 魔力水を飲んだり保存食を口にした後、ヒヅキは人造神研究日誌を取り出して中身を確認していく。

『…………うーん。何かこの辺りの記述でもあればいいのだけれども』

 森とか木とかそういう単語を探してみるも、見つけても資材としての木材ぐらいで、地下という記述すらほとんど無い。

「………………」

 ヒヅキは黙々と日誌を読みながら、何かないだろうかと思案していく。そうしていると、とある部分の変化に気がつく。

『そういえば、最初の方は日付と天気が書かれていたけれど、途中から天気の部分が抜けているな。まぁ、最終的には日付も無くなっているが』

 日誌を読み返してみて、天気の記載が消えた部分を探してみる。そうすると、途中から天気の記載が数日置きぐらいになり、それを何回か繰り返した後に完全に天気について消えていた。

『ふむ。この辺りではまだ日付の記載はあるのに、天気の記載だけ無くなっているのか。そこまで書く必要はないと判断したのか、単に面倒になっただけか、それとも天気が分からない環境に居たのか』

 そこまで考えたところで、ヒヅキは天気の部分が消えはじめた前後の内容について精査していく。

『うーん。地下に移ったみたいな記述はないか。……ん? いや、これは何とも言えないか』

 ヒヅキは、途中から地下に住まいを移したから天気の記載が無くなったのではないかと考えた。

 なので内容を調べてみたのだが、それらしい記述は確認出来ない。唯一、中ほどで少し行き詰った感じの記述の後に『こういう時は環境を変えてみるべきだろうか?』という記述を発見しただけだった。

 その後の内容に環境を変えたと分かるような記述が確認出来ないので、単なる思いつきを書いただけとも取れる。ただ、その少し後から天気の記載が消えていくので、可能性が無いとは言い切れない。

『フォルトゥナは何か気づいた事はない?』

 自身の考えを説明した後、ヒヅキは日誌をフォルトゥナに渡してからそう問い掛ける。

 とはいえ、別に急かす意図は無いので、ヒヅキはそれを示すために森の方へと顔を向けると、魔力水を用意してのんびりとそれを飲む。

 薄暗い森の中でのんびりするというのもすっかり慣れてしまった。

 魔力水を飲みながら、魔導の修練も同時に行う。内包魔力が大量にある状態でも、魔素の動きはしっかりと捉えられるようになった。

(後は光の魔法を上手く魔導に変換できればいいのだが……)

 現状だと、一応光の魔法を魔導に変換するところまでは出来ていた。しかし、今のままだと制御の方に難があるので、完成したとは言い難い。

(魔素は周囲のものを使用するから、魔素の消費量はそこまで考えなくていいのはいいけれど、それでも変換効率はもっと向上させたいところ。しかし、制御を考えるならもう少し出力を抑えた方がいいかもしれない)

 中々完成しないなと思うも、元々そんな簡単なものでもないのでしょうがない。

 そのままヒヅキはフォルトゥナが何かしら答えを出すまで、魔導の修練に励むのだった。

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