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神域への道98

 結局、原始的という以外に感想はなかった。建物を建てた段階で持ってきた資源が底をついたのか、建物だけは少しだけまともではあったが。

(それでも造りが粗いんだよな。ここの気候がどんなものかは知らないが、寒いと家の中で凍死するのではないだろうか)

 一応毛皮らしき物を家の中で何枚か見つけたのだが、毛皮の処理をちゃんとしていなかったのか、カビが生えたり腐っている物もあった。

 気になるモノは無かったので集落を離れた後、ヒヅキ達は何処に向かおうかと考える。折角だからと、引き返さずにそのまま先へと進んではいるが、残念ながら集落周辺には切り株の道以外の道は残っていなかった。

『やはり追放された者達という事なのだろうか?』

 道が無いので、何処か別の集落とは交流が無かったという事だろう。それでも調べた集落には集落の文明以上の品も散見したので、集落に来る前にでも何処かで調達していたのだろう。

 であれば、何処かに人が集まった場所があってもおかしくはない。もっとも、ここが流刑地として機能していたとしたら、在っても監視所みたいな場所しかないだろうが。

(もしかして、あの崩れた場所が……いや、そんな感じではなかったか)

 一瞬、崩れていた建物がその監視所だったのだろうかと考えたヒヅキだったが、調べた限りでは誰かの邸宅か別荘といった感じだった。なので、直ぐに違うかと自身の考えを否定する。

(という事は、もしかしたらここは何処かの島なのかも?)

 もしも本当にここが流刑地であったのならば、その可能性は高い。もっとも、何処まで再現されているかは不明だが。なにせ、森の先まで行ったら海ではなく部屋の壁が在りました。という可能性だって大いにあるのだから。

 現在の状況を推察するも、結局森の終わりに移動してみなくては分からない。何処かにまともな民家でもあればいいが、そんな形跡は今のところは無い。

(それにしても、ここの木は似たような木が多いな)

 森の中を進みながら、ヒヅキは周囲に目を向けてそう思う。同じ種類の木なら似ていてもおかしくはないと思うが、よく見れば枝が伸びている位置に節や皮の感じなど、同じ木を元に造られたかのように似通っているのだ。違うのは生えている向きぐらいだろうか。中には枝の位置などが反転しているような木まであった。

 それに気がつくと、より一層不気味な森に思えてくる。少なくとも、そんな物が自然に生えている訳がないだろう。

(ここは人工的な森という事か? だが、なんの為に?)

 似たような木が並ぶ姿は確かに不気味ではあるが、それ以上にその目的が分からずヒヅキは困惑する。同じ木を造れたからといって、何をしようとしていたのだろうか。

(良質な木材を確実に確保する為? いくら同じように造ったとしても、植わっている場所ごとに環境は違っているだろうから、全て同じに出来る訳はないとは思うのだが……しかし、見た目はどの木も同じだな。最初からこうなっているとでもいうのだろうか)

 周囲を見回し、ヒヅキはより一層困惑してしまう。考えたところでヒヅキでは直ぐに答えは出なさそうだったので、ヒヅキは自身の考えをフォルトゥナに話して意見を求めてみる事にした。

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