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神域への道93

(これで合う鍵が無かったら探し直さないとな……)

 扉の前に来たヒヅキは、手に持つ複数の鍵をから適当な鍵を1本手に取ってそんな事を思う。結構探したとはいえ、まだ建物内を全て探した訳ではないので、探す場所は一応残っていた。

 それよりもまずは見つけた鍵の確認が先だと、ヒヅキは手にした鍵を鍵穴に差し込む。

『むぅ。これも違うか』

 1本、2本、3本と次々に鍵を鍵穴に差し込むが、どれも大きさや基本的な形が同じなので鍵穴に入るところまではいくのだが、それだけで鍵が回る事はなかった。

 そうして1本1本確かめていき、見つけた鍵も最後の1本となる。

『物語だとこういうのが当たりだったりするんだけれども』

 そんな軽口を叩きつつ、ヒヅキは最後の1本を鍵穴に差し込んだ。

『……やっぱり、そう上手くはいかないね』

 鍵穴に差し込めてもビクともしない鍵を抜くと、ヒヅキはため息交じりにそう呟いて、鍵を袋に入れて背嚢に仕舞う。もしかしたら部屋の中ででも鍵を使用するかもしれないので、見つけた鍵はとりあえず消さずに持っている事にした。

 鍵を仕舞うと、ヒヅキは残りの場所を調べに行く。

 複数の鍵が保管されている場所を見つけるまでに建物内のかなりの部分を片付けてしまったので、探すと言っても残っているのは僅か。なのでヒヅキは、鍵を探しながらもこの建物内には合う鍵は無いのだろうと思う。

 そうして建物内を全て探し終えても、結局ヒヅキの予想通りに鍵は見つからなかった。

『こうなったらもう扉を壊すか』

 伸びをした後に息を吐き出しながらヒヅキはそう口にする。もうそれ以外に方法もなさそうなので、折角奇麗なまま保存されているが、そうする事にした。

 ヒヅキは扉の前に立つと、いつも通りに小さな光の剣を出して、最小限の破壊だけする事にする。

『……お待ち下さい、ヒヅキ様』

 そうして、ヒヅキがいざ扉を破壊しようとしたところで、フォルトゥナがそれを制止する。

『何かあった?』

 フォルトゥナの言葉に手を止めたヒヅキは、フォルトゥナに顔を向けて尋ねた。もしかしたら何か罠でも発見したのだろうかと思いながら。

『足下の部分の床は空洞かもしれません』

『足下?』

 ヒヅキは光の剣を消すと、少し下がって床に視線を向ける。

 建物の床も石造りでしっかりとしていた。継ぎ目も無いので、そこが空洞かどうかなど見ただけでは分からない。なので、ヒヅキはフォルトゥナの言葉に首を傾げた。

『はい。先程ヒヅキ様が扉を破壊しようと重心を移動された時に僅かに動いた気がしまして』

『動いた?』

 ヒヅキはフォルトゥナの話を聞いて、先程立っていた場所でしゃがんで床を軽く押して前後左右に動かしてみる。そうすると、確かに僅かだが動く。いや、動くというよりも僅かに沈むだろうか。

 その部分を軽く叩いてみるが、音は特に変わらない。しかし沈むのは間違いないので、今度は少し強めに叩いてみた。そうすると音に変化があった。それなりに厚みがあるのかもしれない。

 壊しても大丈夫だろうかと思ったヒヅキは、フォルトゥナにその事を相談してみる。そうすると、安全性を考えて、フォルトゥナが消去魔法で少しずつ床を消していく事になった。

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