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神域への道75

 階の移動を終えると、昇降機の扉が開く。その先には、他と同じような見た目の道。

『やっぱり、造りはどの階層も同じようだね』

『そのようですね』

 道を進み、分かれ道の前に到着する。別にどちらに進んでもいいので、フォルトゥナと話しながら適当な方向に進む。

『それで、地下2階まで来たけれど、女性やクロスの居場所は分かる?』

 ヒヅキも感知魔法は継続して使用しているし、少し前からそれを魔導でも試みている。しかし、どちらでも女性とクロスを捉える事が出来なかった。

 感知魔法の場合はフォルトゥナの方が感知範囲も精度も未だに上だし、感知魔導の場合は出力が上がったので感知範囲は拡がったのだが、感知魔法と違って不安定なので、精度という点では感知魔法に遥かに劣る。

(こうして比べてみると、魔法の安定性と魔導の出力の高さが分かるよな)

 魔法と魔導は一長一短で、魔法は魔導と比べて安定性が高いが出力が低く、魔導は魔法と比べて安定性は低いが出力が高い。精度や安定した効果が求められる場合は圧倒的に魔法の方が優秀だが、攻撃などでとにかく威力が必要という時には魔導が適していた。どちらが良いという訳ではないが、汎用性は魔法の方が高いのは言うまでもない。

 結局、魔導は途中で継承が途絶えて時と共に廃れてしまう。なので、ヒヅキとフォルトゥナは元々魔導という存在を知らなかった。

 二人が魔導を知ったのも学んだのもつい最近ではあったが、既に二人共に一流と言えるぐらいには扱いに慣れている。

 そんなヒヅキでも扱いに毎回慎重になるぐらいには魔導は不安定なので、魔法の方が残ったのも頷けるというもの。

(もっとも、上位存在と戦うのであれば、魔導が必要不可欠なのだが)

 そんな場面など普通はありえないが、ヒヅキの今がまさしくその状況なので、修得は必須だった。それでも、戦いに必要そうな光の魔法を魔導に変換する作業は未だに途上ではあるが。

『二人の居場所は不明なままです。察知されない方法を用いているのか、それとも既にこの建物内には居ないのかも不明です』

『そうか。何処に行ったというのか……』

 困ったようにヒヅキはそう零す。どれだけ探しても発見出来ないので、そろそろ何の為に探していたのか忘れそうになってくる。

(女性には今後について尋ねて、クロスには人造神について話を聞こうと思っていたのだったか?)

 建物内を探索していただけだというのに間に色々ありすぎて、ヒヅキは曖昧になってきた記憶を探って、とりあえずその事を思い出した。正直、人造神についても今の今まですっかり忘れていた。

『英雄達の方はどうだ?』

『人数は最も多いですね。ですが、ここでも固まって何かをしている集団がいくつか確認出来るだけです』

『ふむ。地下から研究施設としての面が強くなった気がするから、もしかしたら何か実験でもしているのかもしれないな。実験器具は実際に使えた訳だし』

 それどころか、使い勝手は普通の実験器具よりも上だろう。ヒヅキは内心でそう付け足す。汚れても簡単に洗い流せて、燃料が一切減らないのだから。

 そんな話をしながら道中の部屋を確認していく。やはり地下は実験器具が置いてある部屋の方が多いようで、空き部屋はたまにしか見掛けない。

 少しの間そんな風に廊下を進んでいたが、途中で英雄達が何かをしている部屋に到着する。廊下から覗いてみると、なにやら実験器具の周りに集まって、真剣な表情で何か実験をしているようだった。

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