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仕事12

「あ、おっかえりー!」

「おかえりなさいですわ」

 シロッカス達が戻ってくると、近くに居たシラユリとサファイアがそう言って向かえる。

 その声にヒヅキが目を向けると、そこには塔の様な建物へと赴いていたシロッカス達三人に、少し装飾の施された綺麗な鎧を身に纏った男性が二人同行していた。

「ただいま。シラユリ君、サファイア君。何か変わった事はあったかね?」

 シロッカスの問いに、シラユリとサファイアは首を横へと振る。

「うーうん。何にもないよー」

「ええ。食事を頂いただけですわ」

「そうか」

 それにシロッカスは頷くと、同行していた綺麗な鎧を着た男性達へと向きを変えて、軽く頭を下げた。

「色々ご配慮して頂いたようで、ありがとうございます。エイン殿下にも感謝をお伝えください」

「分かりました。エイン様にしっかりとお伝え致します。それでは、宿舎の方へとご案内致します」

 綺麗な鎧を着た男性の片方がそう返すと、綺麗な鎧を着た男性二人は軽く頭を下げて先導するように数歩先を行き、手で先を示す。

「皆、エイン殿下が用意して下さった宿舎へ移動するぞ! 早く移動する用意を済ませろ!」

 休んでいた人足の人たちへと人足頭がそう告げると、人足の人たちは慌ただしく荷物を纏めて、それを手に立ち上がる。

 皆が立ち上がると、一度それを見渡した人足頭がシロッカスへと移動準備が調った事を伝える。

 それに頷きを返したシロッカスは、先に立つ綺麗な鎧の男性二人にそれを伝えた。

「では行きます。少々歩きますので、はぐれないようにくれぐれも気をつけてください」

 先導する男性二人はそう告げると、歩き出した。

 シロッカスを先頭に、人足の人たちも離れないように気をつけながらそれに続く。

 ヒヅキも後尾の一員としてそれに続いた。

 宿舎へと移動中、ヒヅキは周囲に目を向ける。

 砦内とはいえ、街同様に建物が建ち並んでいる事には変わりはない。大きな違いは、街と違い建物の密度やスペースの取り方が異なる点だろうか。

 流石に何処が何の建物かまではヒヅキには分からなかったが、確認出来た兵士の顔は皆一様に明るかった。そのどこか和やかな雰囲気はとても最前線の砦とは思えず、少なくともヒヅキが今まで見てきた砦とは異なっていた。

 それでいてしっかりと警戒しているのだから、ただの緩みきった集団という訳ではないらしい。

(これが、ここの砦のエインという第3王女の手腕という事なのかな?)

 ヒヅキがそんな事を感心していると、程なく宿舎に到着して、全員が歩みを止めたのだった。

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