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神域への道57

 その実験の結果、フォルトゥナの消滅魔法の半分にも満たない範囲なれど、慎重に光球を操作すれば問題なく同じ事が出来る事が証明された。なので、たとえ少しずつであろうとも、ヒヅキもゴミの山の撤去作業に参加する。

 まずはフォルトゥナに協力する事を告げた後、現在の作業状況を確認したヒヅキは、ゴミの山の消しても問題なさそうな場所を見定めてからゴミの山を削っていく。

 ヒヅキの作業速度は、慎重に行う分それほど速くはないが、人手が増えたことでゴミの山が小さくなる速度が上がる。

 しかし、ゴミの山が最初の半分になっても、何かが出てくるという事はなかった。

 更に削っていくも、今のところよく分からないゴミが多いだけ。主に金属製のようではあるが、細かく加工されて色々と繋がっていたりするも、ヒヅキは今まで見た事が無いモノだった。

 ゴミの山も半分を切ると、次第に休憩も多くなっていく。ゴミの山以外のゴミは奇麗に片づけたので、休憩する分には問題ない。

 光球で除去できるのは何もゴミばかりではないようで、床についていた染みもある程度は取り除く事が出来ていた。もっとも、これは消滅しない床のおかげだろうが。

 それでもヒヅキは床に防水布を敷いているが、それでも元がゴミ箱のようと思うまでにゴミだらけの部屋だったとは思えないだろう。後は奥のゴミの山だが、こちらは時間の問題。

『これはただゴミの処理をしているだけだな』

『そうですね。何かある訳ではなかったのかもしれません』

 まだゴミの山が残っているとはいえ、かなり小さくなったので望みは薄いだろう。それでも可能性が無い訳ではないので、ここで止めるという訳にもいかない。

 魔力水を飲みつつ、しっかりと休憩したところで作業を再開させる。ゴミの山も大分小さくなったので、後は一気に出来るだろう。

 そうしてしっかりと休憩した後に残っていたゴミの山の処理を一気に行ったが、結局何も発見出来なかった。

『元の普通な部屋に戻ったね。何処かに隠し部屋が在るという訳でもなさそうだ』

『はい。壁も床も天井も調べてみましたが、そういった場所はないようです』

『という事は、ここは単なるゴミ捨て場だったという事かな? でも、ここでゴミ捨て場というのも……うーむ』

 そもそも誰も居ない場所なので、そんな場所が必要とも思えない。となると、やはり何処かから真似たという事になるが、それはそれで何故だか分からなくなる。ゴミ自体に価値が在ったとでもいうのだろうか。

 その後もヒヅキとフォルトゥナは自身の考えを話し合ってみたが、答えは出なさそうだった。それこそ気紛れで、という可能性すらあるだろうから。

 結局答えは出なさそうだったので、ヒヅキとフォルトゥナは部屋を出る。

 今回は無駄に疲れただけではあったが、それでも久しぶりに限界まで魔法を行使出来たので無駄ではなかっただろう。

 ヒヅキはこの経験を魔導にも活かせそうな気がしたので、早速魔導の修練をしてみる。するとどうだろうか、ゴミの片付けをする前と比べると、格段に魔素の流れを感じられるようになったではないか。

(もしかして、内包魔力量が減ったおかげで魔素を感じやすくなったとか?)

 魔素の流れを感じながら、ヒヅキはふとそう思う。実際はどうかは知らないが、それもひとつの要因なような気がした。

(魔力と魔素は似ているから、魔力量が多い時は魔力が邪魔をして魔素を感知し難かったのかもしれないな)

 もしそうだとしたら、これは怪我の功名かもしれない。こうして1度しっかりと魔素を感じる事が出来れば、魔力量が回復しても魔素については感覚で覚えているので、今後はより一層魔素の扱いが上手くなるだろう。

 そう考えたヒヅキは、今の内に魔素という存在を感覚に刻み込むかのように、魔素の流れを改めて意識し始めたのだった。

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