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神域への道37

 日記を読み終わり、その後も何かないかと日記や箱を調べたヒヅキ達は、最後に部屋も確かめた後、日記を持ち出しても大丈夫だろうかと少し考えたが、仕掛けらしいモノは何も発見出来なかったので、意を決して日記を持って廊下に出た。

『それにしても、こんなに分かりやすいのにここは調べなかったのだろうか?』

 無事に廊下に出たヒヅキ達は、廊下を歩きながら、先行して調べているはずの英雄達について思い出す。何も無い広い部屋の中央に大きな箱がポツンと置かれており、しかもその中には本が1冊のみ。これで調べないというのであれば、先行して調べている意味がない。

(それとも持ち出した結果、あの本のみが残っていたとか?)

 可能性として、取り忘れだろうかと考えたり、もしかしたら本の翻訳の罠に引っ掛かったのだろうかとかも考えたが、それでも不自然といえば不自然である。内容を読む限り、結構重要な内容だ予想出来るのだから。

 という事は、何らかの罠が仕掛けられていたのだろうかと思うも、そんな痕跡は発見出来なかった。

『それとも、調査後に現れたとか?』

 ここは普通の場所ではないので、そういった事があっても不思議ではない。来た道を戻ったら、部屋や廊下に何かが増えたり減ったりしているかもしれない。それどころか、部屋や廊下が様変わりしている可能性だってある。

 それに、もしかしたらヒヅキ達に発見させるのが目的という可能性だってあるだろう。なので、可能性を考えればきりがない。とりあえず、調査はされていなかったのだろうという事で横に措く。

 本を見つけた後は、覗いても何も無い部屋が続く。ただ広いだけの部屋だが、元々は何かに使われていたのだろうか。広いので使い道は色々あるだろうが、見た目は新築のように真新しい。

 廊下は相変わらず先が霞んでいる。どれだけ広いのか分からないが、ヒヅキは出来るだけそれを気にしない事にした。

 フォルトゥナに頼んでいるクロス捜索は上手くいっていない。そう簡単に見つかるとも思っていないので気にしていないが、ヒヅキは今の内にクロスに何を訊くのか考えておく事にする。

 色々あるが、とりあえず人造神についてだろうか。その前に統一王というのがクロス本人であるのかの確認が先だろうが。

(人造神。それが今代の神かどうかは分からないが、日記はまだ白紙の紙がそこそこ残っていたのに終わっていた。それが単に飽きたとか忙しかったとか日記を新しくしたとかならいいが、もしかしたら筆者はあの後に死んだのかもしれない。そうだとしたら、病気か事故かそれとも……)

 日記に書かれていた最後の言葉を思い出したヒヅキは、何となくではあるが、その後の展開が分かった気がした。何処で筆者が命を落としたのかは知らないが、推測はそう間違ってもいないだろう。

(世界の破壊ね……神々も遥か昔から似たような事をしていたらしいし、神として間違っているという訳ではないのかもしれないな)

 問題は人造神の強さだが、日記だけでは途轍もなく強いようだとしか分からなかった。もしも人造神と今代の神が別の存在だとしたら、人造神の強さ次第では再現するというのも候補に挙がるのかもしれない。そう思ったところで、馬鹿馬鹿しいとヒヅキは頭を振った。

(準備や研究だけでも途方もない年月を要していたのだから、仮に材料が在って作製の手順が分かっていたとしても、そんな時間がある訳が無い。それに、創られた人造神には教育が必要そうだったし)

 横道に逸れた思考を戻したヒヅキは、クロスへの問いについて考える。といっても、やはり人造神についてがほとんどになってしまうのだが。

(あの日記の後に何が起こったのかも訊ければいいのだけれども)

 仮にクロスが統一王その人だったとしても、日記には名前しか出ていないので、人造神計画に携わっていたとは限らないし、日記の後について知っているとも限らない。そもそもクロスがどの程度生きていたのかもまた不明なので、もしかしたら人造神計画の途中で亡くなったという可能性だってある。

(まぁ、そこまで考えてもしょうがないけれど)

 可能性としては考えるにしても、その辺りは気にする必要はないかと、直ぐにヒヅキは思考を切り替える。とりあえず、人造神という存在について分かればそれで十分な気がした。

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