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神域への道34

 魔導と魔法の大きな違いは、核が外側に在るか内側に在るかだろう。その違いの為に、扱いやすさが両者では段違いあった。

(魔法の方は魔導よりも威力は低いが、核が自身の魔力なだけに安定していて扱いやすい。魔導は魔法よりも威力が高いが、核が周囲の魔素なので扱いが難しく、安定させるだけでも神経を使う。もっとも、魔導と同じ方法で魔力を集めて魔法を構築してみると、普通に魔法を構築する時よりも威力が落ちてしまうが、それでも魔導よりは安定しているようなので、元々魔素よりも魔力の方が安定ている力なのかもしれない。だからこそ、道具なんかに使用するのは魔法の方なのかもしれないな)

 今回のように相手が圧倒的に格上でなければ、魔導よりも魔法で戦った方が不測の事態が起きにくい分、安定した戦いが出来るのだろう。しかし、今回のように圧倒的に格上である場合、魔法では威力が足りずに攻撃が通らないという懸念が出てくる。そういった性質を理解すると、どちらが優れているという事ではなく、場合によって適せん選択するというのが大事なのだろうと分かってくる。

 ヒヅキは魔導の修練をしながら、魔法のような安定性を得られないだろうかと思案してみるも、それが可能であればクロスか女性が指導した時に言及していた事だろう。魔導を扱っていた過去の者達がそれについて考えなかったとは思えない。

 それでもヒヅキは、何かないかと思案を続ける。現状でもクロスや女性に習った魔導は問題ないのだが、もしも光魔法を魔導として構築出来た場合、安定性の面でかなり不安が残る。もしかしたら構築出来た瞬間に暴発してしまうという可能性すらあった。

(光魔法を魔導で再現した時だけ有効な方法でもいいのだが)

 他の魔導については、魔素の扱いに慣れた事で大分危なっかしさがなくなった。少なくとも、単独で使用する分には問題なく運用出来そうなほど。

(教えてもらった上位の魔導はもう少し修練を続けないといけないけれど)

 その上位の魔導を構築したヒヅキは、それを少しの間維持した後に崩壊させる。その一連の工程も大分淀みなく行えるようになった。

 しばらくそうして魔導の修練を行ったヒヅキは、そろそろいいかと休憩を終える事にした。結局移動中とやっていることは変わらないが、座っているだけでも十分な休息になるのだろう。

 片付けを済ませたヒヅキ達は、また何処までも続く廊下を歩いていく。

 一体何処まで続いているのか。変わらず霞む廊下の先を眺めると、毎度そう思わずにはいられない。

 途中にある部屋の方は変わらず何も無い。見た目も同じなので、真新しさが全く無かった。

(読めなくてもいいから、また本棚とかないだろうか)

 幾度も同じ事を繰り返していると、どうも気が滅入ってしまう。それに注意も散漫になりがちなので、このままでは小さな変化は見落としてしまいそうだった。

 意識して周囲に注意を向けると、それはそれで精神的に疲労していく。身体が強化されて精神的にも丈夫になった気がしているヒヅキだが、それでも体力ほどではない。

 しばらく同じ事を繰り返していると、前回よりも短い間に休憩を取る事にした。道中でヒヅキはフォルトゥナに尋ねてみたが、周囲に英雄達は居ないらしい。女性も何処に居るか不明なので、実際は違うのだが、ヒヅキは少し迷子にでもなった気分だった。

 ヒヅキは休憩中も魔導の修練をしたが、途中で気晴らしに魔法の修練をしてみたり、背嚢に入っていた本や魔法道具を確認したり弄ったりする。

 それで少しは気分転換になったのか、休憩を終えて廊下を進んでいくと、周囲への注意は自然と行えていた。

 しかし、それからも幾度か同じ事を繰り返す。それにより、せっかく回復した気力が削がれてきたところで、廊下から覗いてみた部屋に何かが置かれているのを発見した。

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