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神域への道27

 片付けを済ませると、ヒヅキは集合場所に並ぶ。

 全員が揃ったところで女性が解析結果を皆に話す。どうやら複雑な魔法陣ではあったが、内容は普通の転移魔法陣と同じらしい。複雑なのは次元を超えるので、転移魔法陣が安定して機能するようにする為であったとか。

 1度に送れる人員に制限はないようなので、理論上は転移魔法陣に乗れれば、全員を一気に転移させる事が可能らしい。ただやはり狭いのと、転移先で何が待ち受けているか分からないので、人員を分けて転移させるようだ。

 まずは第1陣として、クロスを含めた英雄達数名。これは向こうの安全確認と共に、向こう側からこちら側に戻ってこられるのかの確認でもあるらしい。転移魔法陣は2つで1つだが、中には一方通行の転移魔法陣もあるので、問題ないと解析したとはいえ、これは大事な確認でもある。向かった先が間違った道という可能性だってあるのだから。

 そういう訳で、クロス達第1陣が転移魔法陣の上に乗る。そうすると、それを認識したのか転移魔法陣の光が強くなり、視界が白く染まる。少しして世界に色が戻った時には、クロスの姿は転移魔法陣の上には無かった。

「問題なく転移は出来るようですね」

 それを確認した女性は、ひとつ頷いてそう呟く。第1陣の役割にはそういった部分も含まれていたようだ。本当にちゃんと転移出来たのかどうかヒヅキには分からなかったが、転移魔法陣をジッと眺めている女性にはそれが分かったのだろう。

 第1陣が転移した後は、しばらく時間が空く。第1陣の役割には向こうの安全確認も含まれているのだから。だがその前に、直ぐに転移魔法陣の光が強くなる。ヒヅキはそれを認識した瞬間に目を瞑ったので、目が焼ける事はなかった。

 光が収まると、そこには転移していった英雄の一人の姿があった。どうやらこの転移魔法陣は一方通行ではなく、双方向に道が繋がっているらしい。

 最初にそれを確認したところで、戻ってきた英雄は女性と何か少し話をした後に直ぐにまた転移魔法陣を起動して戻っていった。

 眩しい光にも少し慣れてきたので、目を逸らしつつそれを見送った後、ヒヅキ達は第1陣が帰ってくるまで休憩に入る。

 ヒヅキは休む前に、気になったので女性に戻ってきた英雄と何の話をしていたのか尋ねてみた。そうすると。

「転移して直ぐに敵が待ち伏せているという事はなかったらしいです。それと、どうやらこの転移魔法陣の先は屋内らしいですよ」

 という答えが返ってきた。どうやら転移して直ぐの状況の報告を受けていただけだったようだ。

「そうでしたか。しかし室内ですか。何の建物なのでしょうね?」

「向こうで軽く周辺の調査もしますので、それは戻ってきたら分かると思いますよ。ただ、おそらく広い建物だ、という事だったので、ある程度調べるのにも時間が掛かるかもしれませんね」

「分かりました。ありがとうございます」

 教えてくれた女性に礼を述べると、ヒヅキは少し前まで休憩していた場所に再度防水布を敷いて腰を下ろす。

 座った後に水筒の魔力水を飲む。フォルトゥナにも勧めてみると、喉が渇いていたのか受け取って魔力水を飲む。

『全部飲んでもいいからね』

 ゴクゴクと魔力水を飲むフォルトゥナが遠慮しないように、ヒヅキはそう告げる。そのまま全て飲み干したフォルトゥナから水筒を受け取ると、時間があるので、空間収納から取り出した水瓶の魔力水で水筒を軽く洗ってから魔力水を補充する。

 その後は二人分の飲水用の容器に魔力水を注いだ後、片方をフォルトゥナに渡してから、干し肉などの乾物を二人で分け合って食べる。そうしながら魔導の修練を行う。魔導の修練は集中さえ出来れば手や口を使わないので、食べながらでも行う事が出来る。

 しばらくそうした後、腹が満ちたので片付けを済ませ、魔導の修練に集中する。大分コツを掴んだので、魔素を集めるのも扱うのもかなり手慣れたものだった。

 後は魔導の構築。ヒヅキはこれもかなり巧く出来ているのだが、それでも隣で魔導を構築しては崩しているフォルトゥナには及ばない。

 相変わらず遠いなと思いながらも、身近に目標が居ると思い直してヒヅキは修練に励む。

 そうして時間を使っていると、とうとう調査を終えた第1陣の英雄達から二人が報告の為に戻ってきた。

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