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神域への道25

 そして、肝心の今代の神へと続いている道についてだが、英雄達の報告の中にはそれらしいモノは無かった。英雄達もそれについて触れなかったので、確認出来なかったという事なのだろう。

 英雄達の報告が終わった後、女性の報告が始まる。内容は英雄達の報告と然して違いはない。やはり歪みの先はスキアが回収した魂の保管所なのだろう。ただ、動物の魂の存在についてはよく分からなかった。もしかしたら、スキアは動物を襲わないというのは確認出来ていないだけなのかもしれない。

 そうした報告の最後に今代の神への道について話があった。どうやら女性が探索した歪みの先に今代の神へと続く道が在ったらしい。

 それについて話を聞くと、歪みの先に在ったのは今まで通りの歪みや結界ではなく、転移魔法陣だったとか。それもかなり複雑なモノらしく、それを読み解くのに時間が掛かったようだが、それでも時間内では全てを読み解く事までは出来なかったらしい。だが、読み解けた部分から分かったのは、その転移魔法陣はかなり遠くへと転移するモノという事。それこそ、次元さえ超えるほど。

 そういう訳で、ほぼそこで決まりだろうという話で終わった。英雄達もそれに納得しているようなので、とりあえずそこに向かってみる事になった。

 今回は全員でという事なので、ヒヅキ達も歪みの先に向かう。

 歪みを通り先に進むと、そこは青い世界。周囲を見回してみると、どうやら水の中らしい。

(呼吸は出来るな)

 水の中というのを認識したと同時に思わず息を止めてしまったが、直ぐにその前に普通に呼吸していたのを思い出したヒヅキは、苦笑を浮かべながら呼吸を再開する。

 どうやら水の中とはいえ現在地周辺には空気があるようで、溺れるという事はなさそうだった。そういう危険がある場合は事前に女性が教えてくれていただろうとはいえ、残念ながらそれも確実にとは言い難かった。

 問題なく呼吸が出来たので、落ち着いて改めて周囲を見渡してみる。

 現在地は水中に出来た空気溜まりといった場所のようだが、結構大きい。視線の先には、建物どころか森まで確認出来た。

 水の方に視線を向けてみると、大小様々な魚が泳いでいるのが確認出来る。空気溜まりの方には興味がないのか、あまり近くでは泳いでいない。

 先頭を行く女性の後に続いて英雄達が進んでいく。周りの様子を見ていたヒヅキは少し遅れてその後に続く。

 足下は柔らかく、歩く度に少し足が沈むほど。生活するには不便そうだが、生活しているのが魂だけの存在であれば、それもまた関係ないのかもしれない。

 しばらく移動すると、建物が並ぶ場所に到着する。女性達の報告では、この建物は触れる事が出来るのだとか。ただし、物を動かす事は出来ないらしいが。それは魂だけの住民でないと動かせないようになっているという話だった。

 それは何故かというのも、推測ながらも報告の時に少し語られていたが、ヒヅキではその仕組みについてはよく分からなかった。ただ、建物は半分が向こう側で、半分がこちら側といった感じらしい。

 とはいえ、今回用事がある転移魔法陣に建物は関係ないので、その辺りは割とどうでもいい話だったが。

 村なのか建物が建ち並ぶ場所に到着すると、住民の姿が確認出来る。種族は様々なようで、大きい人や小さい人。半分が魚のような人や動物のような人とあまり統一性はないらしい。

 住民達は時折ヒヅキ達の方に目を向けるが、特に気にしている様子は無いようで、直ぐに視線を戻す。

 とりあえず見えてはいるようだとは思うが、それだけだ。触れられないとはいえ、横に避けて道を開ける住民も居るので、この辺りも生前の記憶通りという事なのかもしれない。もっとも、避けた住民が触れられない事を知らないだけかもしれないが。

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