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旅路118

 英雄達が集まっている場所に合流したヒヅキは、まだ女性が来ていないのを確認した後、身体の調子を確認していく。

(結構強めに身体強化を使用したのだが、思ったよりも身体に負担が少ないな)

 身体強化は魔力で筋力などの補助をするもので、それにより身体機能を大幅に向上させる魔法であるが、身体強化を必要以上に強く掛けてしまうと、筋肉が断裂し、骨が砕けてしまう。その結果、最悪死んでしまう事もあるほど。

 普段ヒヅキが自身に掛けている身体強化はあくまでも動きの補助程度で、無理のない範囲をしっかりと意識している。なので、常に多少強化しても問題ないぐらいの余裕を持っていた。

 だが、先程ヒヅキが自身に使用した身体強化は、その余力分すら上回るほどの強さであった。特に折り返しで使用した身体強化は、今までのヒヅキであれば骨の1本ぐらいは折れていてもおかしくは無いほどに強力なものであったはずなのだが、今し方身体の調子を調べてみたところ本当に何も異常は無く、筋肉の痛みすら感じないほど。

 それどころか、まだ強く掛けても問題なさそうなぐらいの余裕を感じる。あり得ない事だと思うが、つまりはそれだけ素の身体能力が向上したという事なのだろう。

 魔力の方は全然消耗していない。身体強化は元々ヒヅキが得意な魔法であったというのもあるが、それにしても強化して普段以上に強力な身体強化を使用したのだ、今までであれば、幾らか魔力が消耗しているのを感じていたはずである。なのに今はそれが無い。

 では何故か。それを考えたヒヅキは、内包魔力量が増えた事により魔力の回復量が増えた結果だろうかと考えた。それであれば納得も出来る。魔力の回復量には個人差があるも、基本的には内包魔力量に比例している。なので、内包魔力量が増えたという事は、魔力の回復量も増えたと言えるのだ。

 そうであれば、普段よりも効力を強めた身体強化を使用して魔力消費量が増えたとしても、増えた回復量で相殺可能になったとしてもおかしくはないだろう。

 とりあえず納得したところで、身体にも異常がないようなので、ヒヅキは女性が合流するまでの間にその事について思案してみる。

 まず、何故色々と強くなったのかだが、それは起きた時に考えた通り、屋敷で3つの石から何かを吸収した影響だろう。それが何だったのかヒヅキは知らないし、何故それで強くなったのかも理解していない。それでもそれが影響しているのは何となく感じるし、まだ確定ではないとはいえ、今ならおそらくあれは身体に悪影響はないのだろうと理解出来た。

(声の主が関係しているのは間違いないとは思うのだが……)

 他に原因が考えられないのでそれで間違いないのだろうが、それで何故強くなるのかは考えても分からなかった。

(まぁ、力を吸収して強くなった声の主が、その分の力を貸してくれているとしか考えられないが、何の為に力を貸すのかと考えると、分からないとしか答えられないからな)

 ヒヅキは声の主と何度も話をした事があるし、それなりに長い付き合いにもなってきているのだが、それでも声の主が何者で、何がしたいのかは知らない。なので、どれだけ考えたところで、結局は推測の域を出ないのだ。最近は話をする事も無いので確かめようもないが。

 そんな事を考えている内に女性が合流する。これで全員が揃った事になるので、直ぐに出発する事になるだろう。女性は疲労を感じることが無いようなのだから。

 ヒヅキが思考を切り替えたところで、英雄達もさっさと整列して出発の準備を終える。それを確認した女性は、次の場所に出発する事を告げて移動を開始した。

 来た道とは反対側の通りを真っ直ぐ進み、来た時同様に大きな門を透過して通り過ぎると、ヒヅキ達は首都と思われる街を出て、誰も通っていない静かな街道を進んでいく。

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