表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1282/1509

旅路91

 3階を調べ終えた後は4階に上がる。4階にも警備兵の詰め所があったのか、何だか物々しい場所であった。

 他にも泊まれるような部屋や、見張り易いようにか屋根の無い場所もある。その場所に出て見上げてみると、どうやら4階が最上階だったようだ。

「あれ? 向こうにも何か在るのか」

 ヒヅキが周囲を見回してみると、ヒヅキ達が入ってきた方とは反対側にも建物が在るのを発見する。高さは2階建てほどで、現在ヒヅキが居る建物と比べると横幅も半分ぐらいしかない。それでも十分広いのだが、先に大きい方を見て回ったので小さく見えてしまう。

 その建物の他にも、幾つも小さな建物が建っていた。それらは全て通路で繋げられていたが、ヒヅキはそんな場所在っただろうかと、建物を散策した際の事を思い出す。

(他の建物に続く道……?)

 隅から隅まで徹底的に調べたという訳ではなく、扉が在ったら開いて覗いてみる程度の散策だったので、見落としも多いだろう。なので、もしも建物を繋ぐ通路が隠されていたのだとしたら、発見出来なくてもおかしくはない。

(鍵が掛かっていた場所は面倒だったからほどほどにしか確認しなかったしな)

 鍵付きの扉はそれ程多くはなかったが、それでもなかったわけではない。居住場所なのか何なのかは知らないが、鍵が付いていることの多かった個人的な空間を除いても、鍵付きの部屋は幾つも見つけていた。

 それらの中に別の建物への通路が在ったのならば、発見出来ていなくてもおかしくはないだろう。

(そういえば、窓が少なかったな)

 明かり取りの窓は天井付近に在ったが、外が覗けるような窓はほとんど記憶になかった。だからなのか、城内には明かりの魔法道具がやたらと多かった気がする。

 4階を調べてみても面白そうなモノは何も無かったので、ヒヅキは1階に戻る。

(さて、どうするか)

 別の建物への通路を探すか、それとも外側から別の建物に向かうか。それを考えるも、直ぐに折角なので別の建物も調べてみようとは思うが、次はどうやって調べるかで悩んでしまう。

 フォルトゥナにも相談してみたが、ヒヅキに任せるという事で、あまり興味は無いようだ。

 ヒヅキは考えた後、1度城庭の方に出てみる事にした。

 ここまで建物をあまり壊さないようにと心がけてきたが、どうせ遠からず世界は終わるのだから、多少の破壊は目を瞑ってもらうことにする。

 外に出た後、横にも広い城を回り裏へと向かう。

 城の裏に出ると、直ぐに城と別の建物を繋いでいる通路を見つける。1度通路も確認しておきたかったので、光の剣を現出させると、それを使って通路に穴を開けていく。

 手早く人一人分ほどの穴を開けた後、ヒヅキは通路の中に入る。

 通路は石造りで、何も置かれていない。道幅は三人並んで通れるほどだが、天井は低いようで、高さは2メートルちょっとぐらい。

 まずは城の方へと続く扉に近づいて開けてみるも、鍵が掛かっていて開かなかった。

 ヒヅキは面倒そうに扉の両側を斬ると、扉を倒して向こう側を覗く。

「ここは……ああ、ここに出るのか」

 見覚えのある通路に、ヒヅキは城の何処に繋がっていたのかを知る。どうやら何処かの部屋の中ではなく、鍵が掛かっていたので無視していた扉のひとつだったらしい。

 それを確認したヒヅキは、反対側の方へと向かう。数10メートルほどの通路を通り、反対側に在った扉に近づく。

「やっぱりこっちも鍵が掛かっているな」

 扉はガンガンと音を立てるも、開く気配は一向にしない。しょうがないので扉を破壊すると、中に入って調べていく。人の気配は一切しないので、誰かが残っているという事はなさそうだ。

 近くに在った扉を開いてみると、その先は事務仕事でもしていたような場所であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ