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  作者: 湯城木肌
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 職員室と校長室に挟まれた位置に応接室はある。要は隣の部屋であるので、移動に時間はかからない。

 早く話を済ませて教室に戻ってしまおう。それは話が長引いて給食の時間までに戻らなければクラスメイトからの関心が強くなる恐れがあるからだ。呼び出されたことで今も多少は注目を浴びている状態だろうが、「皆と共通事項を行う場」に変わらず居合わせれば興味はそがれるものだ。

 応接室の扉の前に立ち、気持ち強めに二回ノックをする。部屋中から「どうぞ」とくぐもった声が聞こえ、扉を開けた。

 職員室程の広さではなかったが、あたし達の教室より気持ち大きい部屋だった。目の前の、部屋の左側中央には三人は腰掛けられる黒いソファが向かいあって置いてある。ソファの間には木製の柱に支えられた透明のガラスのテーブルが備えられていた。右側の空間には十人は余裕で使える木製の机や、資料が収められているであろう本棚がある。

「どうも」

 男が声を発した。ソファの中央に軽い様子で腰をかけており、足を組んでいる。ひらひらと手を振り、それがより軽い印象を増長させた。

「こちらへどうぞ」

「はい」

 男の指示通りに向かい側のソファに移動する。膝を曲げてソファにスカートを敷く調整をしながら、男を一瞥した。人の顔を覚えることは苦手であるけれども、服装の変わらない今朝会った人物であったからか、すぐにわかった。

「呼び出したのは、今朝の話の続きをしようと思いまして。やはりあなたが鹿津芽衣さんだったんですね。写真で確認はしたんですけれどもね。変な濡れ衣を着せてしまいましこことはすみませんが、急がなくてはいけないんです。まあすぐに関係ないことになるのでいいでしょう?」

 途切れることなく男の流暢な言葉が続く。理解が追いつかずに呆然とするあたしをそのまま置き去りにし、男は咳払いをして継いだ。

「では早速本題に」

「うん。よくわからないけれど、話が手短にすむなら越したことはないわ」

 あたしの返事に彼は頷くと、前のめりになった。顔が近くなり、あたしは反射的に姿勢を後ろにやる。

「鹿津芽衣さん」

「はい」

 彼は表情を崩さず、深刻な様子も見せず、言った。

「あなたは今すぐに、一人であの世へいってください」


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