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第二話はウジウジ終わる。

 玄関で靴をぬぎ、多目的ホールとよばれる広い空間に出る。椅子や机が置いてあるが気にせず直進、廊下に出る。

(三組はえ〜と・・・)

こっちだ。

右を向いてトポトポと歩いていくと『1ー3組』と書かれたプレートが目に入った。

後ろのドアに名前、番号、出身地(中学校名)が書かれた紙があり、その下に番号で書かれた席順の紙がある。

 ドアと席を5、6回往復して自分の場所を確認する。記憶力には自信が無かった・・・

(チャラチャラした餓鬼どもが多いな・・・)

第一印章わるっ!

つーか人、少なっ!

不良校?

おかしいなぁ。

ここ、県内有数の『進学校』の筈なんだけど。

・・・

・・・

・・・

おわったな!






「はいみなさん、席につけぇ!」

なんかおかしくない?ま、いっか・・・

「これから体育館で入学式が始まりますんで、番号順に並んで廊下に出ていてください。」

そういって、そのオッサンは出ていった。

「あれが担任かなぁ?」

「えー、マジ勘弁!」

「つかあれキモくない!?」

お決まりの言葉が聞こえてきた。まわりからは話し声こそ聞こえるが、誰も廊下へ出ようとしない。

(はぁ〜)

仕方ないので、廊下で携帯をやっていた。携帯を持ってからは掲示板へのカキコは欠かさない。

「朝っぱらからケータイはまってんなよ!」

後ろから聞こえた!振り向いた先には若干チビがいた。

「・・・だれ?」

「誰って桐山だよっ!お前の後ろの席にこういうのいただろ!?」

桐山康平、俺の一つ後ろの席であり、当然番号も一つ上だ。

「・・・ふぅん。」

「えぇ!?『よろしく』とか、『よろしく』とか、『よろしく』とかないのかよ!?」

知るかぁ!

「よ、よろしく」

「おう!よろしく!」

本校友達第一号、桐山の誕生である。(このあと入学式で爆睡していた桐山を何度も起こさなければならなかった。)



「改めて初めまして。今日から皆さんと一緒に勉強させていただきます、佐藤です。よろしくおねがいします。」

ちなみに今はホームルームで、担任挨拶中。後ろからは

「おばちゃんかぁ、ハァ」て声が聞こえてきている。どうやら、新任教師の若い人を狙っていたらしい。

「・・・ドンマイ桐山。」

「はぁ。なんで麻田ちゃんじゃなくてこんなおばちゃんなんだ?」

「つーか無理だろ。あの人保健室勤務だぞ?」

言わなかったほうがよかったかな、と思うほどにそいつの目が輝いた!

「俺、明日から保健室登校にするわ。」

「そのまま留年しろ」

ふと、桐山の後ろの席を見てみた。・・・誰も座ってない。

「そういや朝も居なかったよな。」

「始まって早々不登校かよ・・・あれのために落ちた奴が羨ましいよ」

「なんで!?」

「ホントはきたくなかったんだよこの学校。はぁ・・・何で真面目に受けちゃったのかな?入試」

なんか、喋る気力が無くなってきた。

この学校に来たのも、親が勝手に決めてしまったせいだ。ホントはもっと下のレベルの学校に行きたかったのに・・・。

ダークネス・スイッチが入ってしまった。嫌な思い出やトラウマに身体を包まれたような気分になる。

その後の記憶は曖昧で、どうやって帰ったのか、いつ寝たのか、日にちが変わるまでの記憶がほとんどない。

それでも、地球はまわっている!・・・らしい。

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