プロローグ
「こんだけやって今回も収穫無しか。。アッシュの野郎ガセネタだったな、後で絶対ぶっ飛ばす。」
おびただしい数のモンスターの死体の上に彼は立つ。
漆黒の髪、端正な顔立ち。スラッとした背丈。
手には刀が握られている。
(まぁまぁ、アッシュもわざとじゃないんだから許してあげなよ。)
1人の筈の彼の元に、透き通る声が聞こえる。
「シグレ、特殊武装解除、戻って良いぞ。」
抜刀していた刀を腰に納刀する。
シュッ、と音を立て、腰にぶら下がっていた刀が消え、何も無かった彼の隣に1人の女の子が現れる。
少女は、飲み込まれそうになる程綺麗な黒髪していた。
「げっ、モンスターの血踏んじゃったぁ。いつも言ってるじゃん!綺麗なとこで戻してって!ユキのばかぁぁ。」
ぽかぽかと少女は、青年の肩を叩く。
「へいへい、気が使えなくてわるぅございましたね。」
ふてぶてしい態度の彼は、気に留めていない様子だ。
「もう、やだ歩く気なくなったから刀に戻るもん、、。」
ぷくー、と黒髪の少女は頬を膨らませ、
彼の服の裾を摘む。
その様子は、まるで仲の良い兄妹の様だった。
「いつからこの子はこんなあざとい魔武器になったのかしらね、あー、親の顔が見てみたい」
やれやれ、といった素振りを見せる。
少し挑発気味に、言葉を綴るのは彼の癖だ。
「あんたの方が私のお母さんに詳しいでしょうが!!」
みぞおちに1発。
そして、ふんっとした表情と共に満足げなシグレ。
「はぁ。シグレ、特殊武装起動」
シグレは次の瞬間には姿を消す。
そしていつの間にか彼の腰には納刀済みの刀が装着されている。
「はぁ、疲れてるからお前には歩いて欲しかったんですけども。」
ため息も自然に出てしまう。
(うるさい、ユキが悪いんだから)
「へいへい、じゃあギルドに帰りますか。」
はぁ、、とぼとぼと歩く彼の足取り重い。
彼は汚いモンスターの死体を横目に帰路につく。
(そういえば結局モンスターの統率が取れてたのはキングゴブリンがいたからだったね。お母さんの魔武器じゃなかった。)
シグレが刀の中で呟く。
「こればっかりは仕方ない、あの人の子供たちはそうそう簡単に見つかってくれないからな。」
「「だけど、いずれ俺が全て見つける」」
「「そして、いつか必ず…壊してみせる。」」
「それまではこれからもよろしな、シグレ。めちゃくちゃ頼りにしてるからな。」
スリスリと刀の鞘を撫でながら、彼は決意を固める。
(しょうがないな、ユキには私しかいないんだから手伝ってあげる!!)
ふふん、とドヤ顔してるであろうシグレの顔が目に浮かぶ。
彼の帰路につく足取りは重い。
だが、
彼の決意は、比べようのないほど重く、固い。
これは魔女もとい、聖女の元弟子が、
彼女の置き土産を壊して巡る。
そんな物語だ。
初めての執筆作品になります!!
ぜひ温かい目で読んでいただければ幸いです!!
いつまで続くかわかりませんが、皆さんのコメント等あれば嬉しいです!よろしくお願いします!




